黒幕フョードル・ドストエフスキーの登場（第3期）

　フョードル・ドストエフスキーは、「組合」の資産を強奪すると同時に、部下の異能ウイルスで「ポートマフィア」の森鴎外と「武装探偵社」の福沢諭吉を病に臥させ、互いに潰しあうよう画策する。抗争は、夏目漱石によりもたらされた情報とフィッツジェラルドの協力によりフョードルの逮捕に成功。しかし、その後、太宰の「ポートマフィア」時代の犯罪の証拠が明るみになってしまったことにより、太宰が「猟犬」に逮捕されてしまう。しかし、太宰とフョードルは、わざと捕まって異能刑務所「ムルソー」に収容されていたと明かす。そして、何らかの手段で外と連絡を取っているフョードルと太宰の頭脳戦は監獄においても繰り広げられていく。

　第3期一番の見どころは、第37話「日向（ECHO）」。「武装探偵社」と「ポートマフィア」の共食いを食い止めるために、死に至るウイルスを自在に操る異能力を持つ「死の家の鼠」のアレクサンドル・プシュキを追う中島と芥川。そして、アレクサンドルの攻撃を受けた中島が、ウイルスの影響を受けてしまう。今まで対立関係にあった2人だったが、共闘しようと話す芥川に中島は、なんのために戦っているのかと問う。「自分はまが犬なら敦は迷い犬だ」と答えた芥川は、自分の異能力を中島に巻きつけ、空間ごと切り裂き中島を救出させる。この回は、以前から対立していた中島と芥川が共闘し、2人の異能力のコラボが見られる熱い展開となっている。

「武装探偵社」が犯罪組織「天人五衰」に仕立て上げられる（第4期）

　研究のため一頁だけ保管されていた「本」の力により、「武装探偵社」が犯罪組織「天人五衰」に仕立てあげられてしまう。これにより社長の福沢は逮捕され、「武装探偵社」のメンバーもバラバラになってしまう。その後、「武装探偵社」メンバーは、自分たちを信じてくれる者たちの協力によって再集結を果たし、真の「天人五衰」を阻止するために動き出す。そして、「武装探偵社」の江戸川乱歩は、「猟犬」の隊長・福地桜痴に協力を仰ぐが、福地こそが天人五衰の首領であったことを知る。

　第4期一番の見どころは、第46話「『蝶を夢む」』。犯罪組織「天人五衰」に仕立てあげられた「武装探偵社」。「ポートマフィア」に協力を仰ぐも、首領の森鴎外は、対価として与謝野晶子の移籍を要求。そして、この因縁の始まりが、大戦末期の戦場で、和菓子屋の店番だったところを鷗外に徴用された当時11歳だった与謝野が見た地獄にあったことが明らかになる。戦争中、瀕死の兵士を無理やり生き返らせ続けることに心を病んでしまった与謝野は、戦後も施設に隔離され続けていた。その後、江戸川乱歩によって助け出され、真の居場所を見つけた与謝野は、「武装探偵社」の一員として新たな人生を歩んでいく。この回は、異能力を持つ者の“適材適所”について考えさせらせられる話になっている。特に異能力があることでひどく苦しんでいた与謝野を、江戸川がある言葉をかけて解放するシーンは必見だ。

　ここまで、第1期から第4期までのあらすじや、本作を楽しむ上で知っておきたい最重要エピソードについて紹介した。また、第4期では、「武装探偵社」と「天人五衰」の決着が着かないまま終わっていたため、第5期では、この対立関係にどのような動きがあるのかについて注目していきたい。本作をこれから観るという方も、既に観ているという方も、是非この機会に第1期の第1話からチェックしてみてほしい。

■放送・配信情報
『文豪ストレイドッグス』第5シーズン
WOWOWにて、毎週水曜24:00〜24:30放送
TOKYO MXにて、毎週水曜23:00〜23:30放送
サンテレビにて、毎週水曜24:00〜24:30放送
テレビ愛知にて、毎週水曜25:30〜26:00放送
BS11にて、毎週木曜23:00〜23:30放送
KBS京都にて、毎週木曜24:00〜24:30放送
dアニメストアにて、地上波同時・単独最速配信
その他サイトにて、順次配信
キャスト：上村祐翔、宮野真守、細谷佳正、神谷浩史、豊永利行、花倉桔道、嶋村侑、諸星すみれ、小山力也、小野賢章、谷山紀章、梶裕貴、阿座上洋平、林勇、小市眞琴、大塚明夫、石田彰、子安武人、千葉翔也
原作：朝霧カフカ
漫画：春河35（『ヤングエース』連載）
監督：五十嵐卓哉
シリーズ構成・脚本：榎戸洋司
キャラクターデザイン・総作画監督：新井伸浩
プロップデザイン：片貝文洋
美術監督：近藤由美子
色彩設計：後藤ゆかり
撮影監督：神林剛
3DCG監督：安東容太、小栗裕樹
編集：西山茂
音楽：岩崎琢
音楽制作：ランティス
音響監督：若林和弘
音響効果：倉橋静男（サウンドボックス）、西佐知子（サウンドボックス）
音響制作：グロービジョン
オープニングテーマ：GRANRODEO「鉄の檻」
エンディングテーマ：ラックライフ「軌跡」
アニメーション制作：ボンズ
製作：文豪ストレイドッグス製作委員会
©朝霧カフカ・春河35/KADOKAWA/文豪ストレイドッグス製作委員会
公式サイト：https://bungosd.com
公式Twitter：@bungosd_anime