飯豊まりえに訪れた“転機” 野島伸司脚本『何曜日に生まれたの』はジャンルレスなドラマに
そんな二人を囲むのは、一癖も二癖もあるキャラクターだ。どこか常に人を冷静に観察している節があり、はちみつをかけたタマゴボーロで糖分を補充する奇人の公文をはじめ、美人だけど辛辣な物言いが印象的な編集長の久美(シシド・カフカ)、その妹で悪い女性が寄り付かないよう公文と同居生活を送る芽衣(早見あかり)たちが親子と社会をつなげるパイプとなる。しかし、すいが引きこもりになった理由はあまりにも深刻だった。
10年前、すいは同級生の雨宮(YU)とバイク事故に遭った。すいの方は怪我で済んだものの、雨宮は帰らぬ人に(?)。彼がプロからも有望視されるサッカー部のエースであったことから、みんなに非難の目を向けられるようになったすい。しまいには仲が良かった男子生徒の江田(井上祐貴)から「お前が死ねばまだ良かった」とまで言われてしまう。そんな江田と、出席できなかった同窓会の帰りにまさかの再会。やっとの思いですいが口にしたのは、会話の糸口として公文に教えてもらった「ナンウマ(何曜日に生まれたの)?」という一言だった。
すいの笑顔に一瞬、ときめいたようにも見える江田。ラストは公文が望む、鮮烈でピュアなラブストーリーが生まれる予感がした。一方で、公文がなぜ丈治とコラボするに至ったのか、また娘をモデルにするという条件を出したのかが謎であり、彼自身の存在がミステリーである。なるほど、これはジャンルレスなドラマだ。幕を開けても掴みどころのないストーリーから目が離せない。
■放送情報
『何曜日に生まれたの』
ABCテレビ・テレビ朝日系にて、毎週日曜22:00〜放送
TVer、ABEMAにて、地上波放送終了後見逃し配信
TELASA、U-NEXTにて、第1話~最新話まで見放題配信
出演:飯豊まりえ、溝端淳平、井上祐貴、YU、若月佑美、片山友希、濱正悟、早見あかり、シシド・カフカ、陣内孝則ほか
脚本:野島伸司
企画・プロデュース:清水一幸
プロデューサー:南雄大、松原浩、柴田裕基、難波利昭
制作プロデューサー:奈良井正巳
演出:大塚恭司、岩本仁志、松原浩
音楽:福廣秀一朗
主題歌:The Hollies「Bus Stop」
制作著作:ABCテレビ
©︎ABCテレビ
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