『VIVANT』貴重な“情報源”となる公式SNS 違った角度から楽しめる小ネタの魅力
第1話は108分、第2話は79分、第3話は69分。一般的なドラマがCMを含め50分程度であることを考えると、日曜劇場『VIVANT』(TBS系)はそのスケールの壮大さと内容の濃さも相まって、映画を観ているような気分になる。そして毎週、密かに楽しみにしているのが、『VIVANT』の公式SNSをチェックすることだ。
本作の放送前にはっきり分かっていたことは3点。メインキャストとして阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司が出演すること、竜星涼、迫田孝也、林遣都らが追加キャストとして出演すること、そして主演が堺雅人であることだ。キャストの詳しい役柄やストーリーは全く明かされておらず、驚くべきことに放送後もその点はあまり変わっていない。公式サイトを見ても、次回のあらすじや登場人物の紹介は数行である。
そんな中で、本作の貴重な“情報源”となっているのが公式SNSだ。通常、公式SNSというのは、放送が始まる前にお知らせや予告編が見られるリマインダーの役割をしたり、放送後にちょっとしたメイキング動画が見られるちょっと嬉しい情報が得られたりするものだ。もちろん『VIVANT』の公式SNSもそのような投稿をアップしており、時には約2カ月間にわたったモンゴルでの撮影風景も見られる。
それに加えて、ドラマの中に登場した製品やグッズを作った会社の投稿も細かく拾い上げている。本作は1話に詰め込まれている情報量が多く、1度観ただけではストーリーを追うことに精一杯になってしまうが、こうして後からこだわりのある部分を紹介されると見返したくなってしまう。
さらに公式SNSとして特徴的なのは、出演者のドラマに関する投稿に積極的に反応を示すことである。本作の第1話のラストシーンにサプライズ出演した二宮和也は、放送時間に合わせ、本作の「リアルタイム実況」を行うことがある。内容は出演した俳優としての裏話のようなものではなく、「すげぇ。。。」「え?? そういう展開なの??」といった一視聴者としての一言感想がメインである。だが、その中でたまに「世界は阿部寛で回ってるんだ。」「え? ラクダさん名俳優じゃない?」のような“名言”が飛び出すこともあり、公式SNSがその投稿を紹介したり、返信するかのようにコメントすることがあるのだ。
これらは、後から放送を観る予定ならばどの場面のことを話しているのだろうと気になるし、リアルタイムで観ていれば一緒に盛り上がることができる仕掛けとなっている。