『18/40』ついに福原遥が父に妊娠を告白 有栖と瞳子は“名もなき協力関係”に

 第3話の冒頭では、市郎が妻・真理(美村里江)を亡くした日を回顧するシーンもあった。消防士として人の命を救ってきた市郎が、最も愛する妻を救えなかった悔しさ。そして、たった1人の娘に対して、どれほど愛情を持って接してきたのかが描かれる。「力を合わせて生きていこう」なんて気恥ずかしい言葉を交わすことはなかったけれど、なんとか仕事のスケジュールを調整しながら学校行事に参加してきた。

 父と娘、どう接したら良いのかわからず「真理がいてくれたら……」と思う場面もたくさんあったことだろう。誇らしく成長した有栖を見て、「この姿を真理と一緒に見られたら……」と涙で視界が滲んだ日も幾度となくあったに違いない。心細くて、大変だった1人での子育て。その経験があるからこそ、有栖が歩もうとしている道を手放しで応援することができない。

 しかし、逆に有栖が1人で産み育てるのを「無理じゃない」と思えたのは、市郎の愛情がしっかり伝わってきた証拠なのではないか。そんな過去で繋がっている市郎と有栖に対して、瞳子と有栖は未来を見据えて繋がっている。キュレーターになるという夢も、子どもを無事に産み育てていくということも、どちらも諦めずに手に入れる方法を、2人で模索していこうとしているのだ。もちろん、今はまだ言葉が見つからない繋がり。結婚相手のようなパートナーとは違う、ましてや本当の姉妹でもない。血も繋がらない、何かの契約を交わしたわけでもない名もなき協力関係。その繋がりが、市郎を安心させるものになるまで、まだ少し時間がかかりそうだ。

 しかし、このドラマを観ながら改めて今日の出産・育児を取り巻く環境はハードモードだと思わざるを得ない。一般的に女性が生殖可能な性成熟期は18〜45歳と言われているけれど、18歳では「まだ子ども」とされ、20代は「まだまだ仕事は半人前」なんて言われ、30代以降はキャリアとの兼ね合いが難しくなり、さらには高齢出産の不安がつきまとう。一体いつが産み時、育て時なのかと頭を抱えたくなるほどだ。

 こればかりは、どんなに綿密に計画してもなかなか思い通りにいかない領域の話。だからこそ、授かったときに誰もが安心して決断できるように。このドラマをきっかけにいろいろな形の協力関係が生まれること、それを許容する社会が育まれていくことを願うばかりだ。

■放送情報
火曜ドラマ『18/40~ふたりなら夢も恋も~』
TBS系にて、毎週火曜22:00〜22:57放送
出演:福原遥、深田恭子、鈴鹿央士、上杉柊平、出口夏希、長澤樹、八木勇征(FANTASTICS)、嵐莉菜、シルビア・グラブ、髙嶋政宏、美村里江、松本若菜、片平なぎさ、安田顕
脚本:龍居由佳里、木村涼子
プロデューサー:韓哲、荒木沙耶、内川祐紀
演出:福田亮介、松木彩
製作著作:TBS
©TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/1840_tbs/
公式Twitter:@1840_tbs
公式Instagram:1840_tbs

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