親は子を愛すれば愛するほど、自分とは同じ苦労をさせまいと願うもの。だが、そんな親の愛を知っていればこそ、子は苦労にも果敢にチャレンジできるのかもしれない。愛しているからこそ、信じているからこそ、すれ違う親と子の想い。火曜ドラマ『18／40～ふたりなら夢も恋も～』（TBS系）第3話では、共同生活を始めた有栖（福原遥）と瞳子（深田恭子）のもとに、有栖の父・市郎（安田顕）が駆けつける。

　強いて言えば「バイト先の上司と部下」というなんとも薄い関係性の有栖と瞳子。一般的には、生活を共にする理由などなかなか見つからない。当事者である瞳子でさえも、なぜこれほど有栖に対して世話を焼かずにいられないのか、うまく言葉にすることができない始末だ。

　ただ、どうしても放っておけないという何かが瞳子を突き動かすのだ。それはかねてより「妹が欲しかった」という瞳子の面倒見の良さもあるだろう。そして、自分が夢を叶えることができたように、必死に勉強をする有栖にも夢を諦めてほしくないという想いも。次世代に羽ばたく何かを応援したいという気持ちは、自分の子を産み育てていくことに通じるものがあるのかもしれない。

　しかし、本人たちでさえうまく説明できないこの共同生活に、市郎（安田顕）が納得できるはずがなかった。同じ大人として瞳子に説明を求める市郎。事の発端は有栖の妊娠だが、有栖はまだ市郎には妊娠のことを告げたくないと話していたため、瞳子は本当のことを言えずに口ごもるばかり。そんな瞳子を察して、口を挟もうとすれば「お前は黙ってなさい」と市郎に一括されてしまう有栖。

　そこで、意を決して「子どもができたの」と明かすのだった。

　しかし、市郎はまさか自分の娘が18歳で妊娠したとは思いもよらず、てっきり瞳子が妊娠したのだと思い「それはおめでとうございます」と頭を下げてしまう。きっと、それくらい娘が妊娠したなんて予想できないことだったのだろう。40歳ならば、両手を上げて喜ばれる妊娠。でも、18歳だと諦めるようにと説得されてしまう。たしかに現代の日本を生きていれば、その感覚はわからなくもない。大学に通い、これから夢を叶えようというタイミングで、妊娠・出産なんて。自己実現と子育ての両立なんて到底できるわけがない、と。

　しかも、有栖はシングルマザーとして子どもを産み、育てていこうと考えているのだ。「親2人いたって大変なんだよ。それをまだ子どものお前が1人でなんて、無理に決まってるだろ！」と、男手ひとつで有栖を育ててきた市郎だからこそ、その言葉が重い。