堺雅人が“日曜日”に帰ってきた! 『VIVANT』でも名台詞は生まれるか

 かなり手強く癖の強い宿敵らを前にしても、堺が元々備えている“まともさ”“誠実さ”が霞むことはなく、その求心力が光り、むしろ現実とのリンクをより強める役割を果たしていた。実際に理不尽さを抱えながら日々組織内で懸命に働く企業戦士たちにも共感され、感情移入されるような“まとも”さがありながら、強烈な個性の持ち主らと並んでも引けを取らないどころか、それをも凌駕していくことができる。これは堺の実直な存在感と情感ゆえになし得る唯一無二たるところだろう。真っ直ぐで義理堅くあることが周囲を徐々に変え、やがて大きな力となることをその存在自体で強く信じさせてくれる。

 そんな堺の特性は、主演を務めた大河ドラマ『真田丸』(NHK総合)でも遺憾なく発揮され、同じく日曜夜を盛り上げていた。クライマックスにかけて、幽閉されていた九度山を脱出し、大阪城に入ってから曲者揃いの浪人をまとめ上げる真田幸村(信繁)の姿もまさに人間臭さゆえの強さと信頼感が滲んでいた。

 さて、詳細が明かされずスタートする『VIVANT』だが、『半沢直樹』のような決め台詞は飛び出すのか。このタイトルが意味するところが何なのか、前代未聞づくしのアドベンチャードラマを目の当たりにできるのを楽しみに待ちたい。

■放送情報
日曜劇場『VIVANT』
TBS系にて、7月16日(日)スタート 毎週日曜21:00~21:54放送
※初回は108分スペシャル
出演:堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、竜星涼、迫田孝也、飯沼愛、山中崇、河内大和、馬場徹、Barslkhagva Batbold、Tsaschikher Khatanzorig、Nandin-Erdene Khongorzul、渡辺邦斗、古屋呂敏、内野謙太、富栄ドラム、林原めぐみ、櫻井海音、Martin Starr、Erkhembayar Ganbold、真凛、水谷果穂、井上順、林遣都、高梨臨、林泰文、吉原光夫、内村遥、井上肇、市川猿弥、市川笑三郎、平山祐介、珠城りょう、西山潤、檀れい、濱田岳、坂東彌十郎、橋本さとし、小日向文世、キムラ緑子、松坂桃李、役所広司
原作・演出:福澤克雄
プロデューサー:飯田和孝
製作著作:TBS
©︎TBS

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