『カーズ』はモデルとなったクルマも個性的! ポルシェ911、フィアット500も登場
クルマを擬人化したピクサーの人気アニメーション映画『カーズ』。その個性豊かな登場キャラクターは、年齢問わず幅広い層に愛されている。そんな『カーズ』に登場するメインキャラクターのモデルとなった実車をご紹介。実車を知れば、より深く作品が楽しめるかもしれない。
天才ルーキー ライトニング・マックイーン
主人公マックイーンのモデルは残念ながら、実際にはなく架空のクルマ。公開当初、監督のジョン・ラセターは「主人公はレースカーらしくNASCARのレーシングカーをイメージしたが、それらは空力のために平べったく面白みにかけたものだった。そこでストックカーやローラ、フォードGT40などの曲線美があるマシンを組み合わせて創造した」という。(※)
ストックカーはアメリカで人気の市販車のシルエットを模したレーシングカー。そのカテゴリーでは、NASCARというレースの方が有名かもしれない。また、ローラはレーシングカーのコンストラクター(製造メーカー)で、フォーミュラカーからル・マンでおなじみのプロトタイプカーまで幅広く手がけ、インディ500では何度も優勝している名門。そしてフォードGT40は、1960年代のル・マン24時間耐久レースで席巻していたイタリアのフェラーリに一矢報いようとフォードが製作した意欲作で、わずかだが市販車も存在。そのリメイク版が2005年に発売され話題になった。
優しく純粋なメーター
ボディがサビだらけのレッカー車、メーター。そのモデルはインターナショナル・ハーベスターL-170。このクルマは、作品同様ルート66のガソリンスタンドにあったものというエピソードも有名かもしれない。
インターナショナル・ハーベスター社は1902年設立。トラックや農業機械を中心に製造していたメーカーで、1985年にはナビスター・インターナショナルに買収された。L-170はアメリカのハイウェイを通行するための重量制限に対応できる範囲で作られた同社の大型モデル。特徴は用途に応じた大きなタイヤやエンジンを搭載できることだ。
敏腕弁護士と民宿オーナーの掛け持ち サリー・カレラ
主人公マックイーンに走ることの楽しさを教えたサリー・カレラ。そのモデルになったのは2002年型のポルシェ911。911はエンジンを車両後部に載せ、後輪を駆動するRR(リアエンジン、リアドライブ)方式を採用するポルシェのイメージリーダー的なクルマで、世界中に多くのファンがいる。
サリーはヘッドライトが特徴的な996型といわれる車種。この996型はそれまで空冷エンジンから水冷エンジンへ切り替わったポルシェブランドとしては大転換期のクルマとして知られる。カレラのネーミングは1950年から54年にメキシコで行われ、当時世界で最も過酷な公道レースと言われた「カレラ・パナメリカーナ・メヒコ」に由来する。