赤楚衛二の瞳は雄弁に物語る 絶好調の波は『こっち向いてよ向井くん』でさらに加速?
これまでの赤楚衛二の魅力がふんだんに詰まったドラマが始まる予感。7月12日より放送が開始される『こっち向いてよ向井くん』(日本テレビ系)は、雰囲気もよく、仕事もできる“いい男”なのに10年も恋をしていない向井くんが、久しぶりの恋をしようとする物語だ。原作はねむようこの同名コミックスで、主人公の向井くんを演じるのが赤楚衛二である。向井くんの元カノの藤堂美和子役には生田絵梨花、恋の相談相手である坂井戸洸稀役に波瑠、他にも藤原さくら、岡山天音、市原隼人らがキャストに名を連ねる。
今勢いのある赤楚が民放GP帯の連続ドラマ初主演を務めることで、SNSなどでも大きく話題となった本作。やはり気になるのは、昨今のドラマで新たな魅力を開花しつつある赤楚がどのような活躍を見せてくれるかだろう。
赤楚は2015年から俳優業をスタート。2017年には、Prime Video『仮面ライダーアマゾンズ』シーズン2の長瀬裕樹役、『仮面ライダービルド』(テレビ朝日系)の仮面ライダークローズ/万丈龍我役を演じ、特撮ファンの心を掴む。
その後、連続ドラマ・単独初主演を務めた『チェリまほ』こと『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレビ東京系)では「触れた人の心が読める魔法」が使えるようになってしまった安達清役で大ブレイク。『チェリまほ』は日本のみならず海外でも高い人気を誇り、赤楚が大きく羽ばたくための“助走”となった。
ここからは、『彼女はキレイだった』(カンテレ・フジテレビ系)、『SUPER RICH』(フジテレビ系)、『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』(TBS系)で着実に経験を積み重ね、2022年は連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK総合)で福原遥演じるヒロインの幼なじみにして夫ととなる梅津貴司役に抜擢される。老若男女からの知名度を一気に獲得した後、2023年4月期ドラマでは『風間公親-教場0-』(フジテレビ系)と『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』(TBS系)の2作で熱い芝居を見せてくれた。
役者として世間の注目の真っ只中にいる赤楚だが、その最大の魅力はうるうるとした瞳と、雄弁な表情の演技だろう。セリフなしで感情をダイレクトに伝えてくる説得力のある面差しは多くの視聴者の心を射抜いてきた。これが顕著であったのが『チェリまほ』での「人の心を読んでしまう」演技だ。モノローグを被せるとはいえ表情のみで感情を語る高度な演技が要求される本作において、赤楚のくるくると動く瞳と豊かな表情は物語に一層の深みを与え視聴者の感情を大きく動かした。