『わたしのお嫁くん』で波瑠を後押しする存在に ドラマのスパイスになるヒコロヒーの演技

 知博(高杉真宙)と穂香(波瑠)の微笑ましいイチャイチャだけではなく、古賀(中村蒼)や花妻(前田拳太郎)の片思い矢印、赤嶺(仁村紗和)からの推し矢印などいろいろな思いが混戦してきた『わたしのお嫁くん』(フジテレビ系)。今、なんの下心もなく穂香に的確なアドバイスができるのは、君子(ヒコロヒー)だけかもしれない。

 穂香から「きみちゃん」と呼ばれている君子は、カフェスペースが併設されたおしゃれな花屋で働いており、そのお店を訪れる穂香といつも他愛もない話をしている。穂香は、知博との同居直後から君子に、知博が自分の身の回りを世話するために一緒に住んでくれていることを話していた。現実的な性格をしているらしい君子は「そんな都合の良い男がこの世にいるわけない!」と穂香に同居をやめるように説得するが、同時に知博が穂香に対して片思いしていることにも気づいてしまったようだ。そこからは、相手の気持ちにも自分の気持ちにも鈍い穂香の話を聞いてあげながら、彼女がハッとするようなアドバイスをしてくれる良き相談相手に。知博が“お嫁くん”だというに対して、穂香は自分が“大黒柱”であるとよく言っているのだが、「穂香が大黒柱になれば?」と言ったのは君子である。

 君子を演じるのは、1人コントを得意とするお笑い芸人のヒコロヒー。バラエティ番組のMCとしても活躍し、時々、番組内の再現ドラマなどで演技をしていたが、本格的にテレビドラマに出演するように。今年は本作と同時期に『だが、情熱はある』(日本テレビ系)にて、森本慎太郎が演じる山里亮太の母・瞳美も演じている。

 知博の元カノと自分を比較して落ち込んでいる穂香に「いわゆる彼女として力になれないなら、旦那として何ができるか考えたら?」と声をかける君子や、山里のやることなすこと全てに「すごいね!」と言ってくれる瞳美は、感情がこもっていないわけではないのだが、あっさりとしている。その様子が自分の気持ちがこんがらがってわからなくなってしまっている穂香や山里をちょっと冷静にさせてくれるのだろう。不思議と私たち視聴者の高まった気持ちも空気抜きがされるように落ち着いてきて、安心感が出てくるのだ。ドラマのちょっとしたスパイスになるようなヒコロヒーの演技を楽しみにしている人も多いのではないだろうか。これからどんどん彼女の活躍の場が広がっていく予感がする。

 穂香は、知博への気持ちに気がつくまでもすったもんだしていたが、付き合ってからも周りを巻き込みながらドタバタ劇を繰り広げている。そんな中で地に足がついている君子の役割はより重要になってきそうだ。第10話では、君子が同棲していた恋人と結婚することになったと穂香に報告するようだ。恋人とある程度付き合ったら、当然意識してしまう結婚。穂香と知博もいずれ考えることになっていただろうが、まさかそのきっかけが君子からもたらされるとは思っていなかっただろう。穂香の悩みのタネはまだまだつきないようだ。

■放送情報
『わたしのお嫁くん』
フジテレビ系にて、毎週水曜22:00~22:54放送
出演:波瑠、高杉真宙、前田拳太郎、仁村紗和、ヒコロヒー、竹財輝之助、古川雄大、中村蒼ほか
原作:柴なつみ『わたしのお嫁くん』(講談社『Kiss』連載)
脚本:橋本夏
音楽:橋本由香利
プロデュース:中野利幸(フジテレビ)
プロデューサー:芳川茜(共同テレビ)、山崎淳子(共同テレビ)
演出:紙谷楓(共同テレビ)、城宝秀則(共同テレビ)、水戸祐介(フジテレビ)
制作協力:共同テレビ
制作・著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/oyome_kun
公式Twitter:https://twitter.com/oyome_kun
公式Instagram:https://www.instagram.com/oyome_kun/

関連記事