マイケル・B・ジョーダンがアニメ愛を語る 初監督作にはコービー・ブライアントの影響も

「日本の方のために何かしたいという気持ちがあった」

ーー男性中心になりがちなスポーツ映画で、アドニスの母メアリー(フィリシア・ラシャド)、妻のビアンカ(テッサ・トンプソン)、娘のアマーラ(ミラ・デイヴィス=ケント)という3世代のタフな女性が描かれていたのが印象的でした。もう1つの軸として女性の物語を描きたいという構想は、最初からあったのでしょうか?

ジョーダン:それはすごく意識していました。僕は強い女性たちに囲まれて育ってきて、それが今の自分を形作ってくれています。ビアンカのキャリアの話は本筋と関わってくるわけではありませんが、彼女を自立した女性として登場させる上で、その部分はしっかり描きたいと考えていたんです。また、ボクシングというと「父と息子」の話になりがちですが、だからこそ僕は「父と娘」の関係を描きたいと思っていました。特に、コービー(・ブライアント)と娘の関係は、友人として近くで見ていて、すごくインパクトがあったんです。ほかにも、ジェイミー・フォックスをはじめとする僕の友人たちが娘と接する姿を見て、彼らに対するオマージュを入れたいと思うようになりました。だから、アドニスに子どもが生まれるなら息子ではなく娘だと思ったし、さらに彼が娘にボクシングを教えて、その子が今後ボクサーを目指すかもしれないという、そんな想像を掻き立てるようなタネを仕込んでおきたいと思ったんです。

ーー日本での上映だけ、本編の最後にスペシャルアニメが流れますが、なぜそのような特別仕様にしたのでしょうか?

ジョーダン:何か特別なことを日本の文化や、日本の方のためにしたいなという気持ちがあったからです。この映画も、そして僕自身も、アニメにはすごくインスピレーションを受けているので、ただ受け取るだけじゃなくて、何か返したいという気持ちがありました。数々の素晴らしいマンガやアニメ、そしてそれを生み出してくれた日本に対して、「こんなに好きなんだよ」という気持ちを見せたかったんです。それにアニメを作るのは、すごくクールで楽しい経験でした。僕がアニメになった『クリード』を観たかったという自己中心的な欲もありますが(笑)、キャラクターたちがまた違った形で動いている姿を観られてとても嬉しかったです。

■公開情報
『クリード 過去の逆襲』
全国公開中
監督:マイケル・B・ジョーダン
製作・原案:ライアン・クーグラー
出演:マイケル・B・ジョーダン、テッサ・トンプソン、ジョナサン・メジャース、ウッド・ハリス、フロリアン・ムンテアヌ、ミラ・ケント、フィリシア・ラシャドほか
配給:ワーナー・ブラザース映画
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