マイケル・B・ジョーダンがアニメ愛を語る 初監督作にはコービー・ブライアントの影響も

 伝説のボクシング映画『ロッキー』のレガシーを継承する『クリード』シリーズ。その主演を務めるマイケル・B・ジョーダンが、最新作『クリード 過去の逆襲』では監督を兼任。映画監督デビューを果たした。

 実は日本アニメの大ファンだというジョーダンは、先日も『もののけ姫』のTシャツを着てNBAの試合観戦に訪れていたことが話題に。そんなジョーダンに、アニメから受けた影響や理想的なライバルの描き方について聞いた。

アドニスとデイムはコインの表と裏のような関係

ーーアドニス(マイケル・B・ジョーダン)とデイム(ジョナサン・メジャース)の物語を描くにあたって、『NARUTO -ナルト-』や『ドラゴンボール』といったアニメ作品に影響を受けたと聞きました。ライバルを魅力的に描く条件は何だと思いますか?

マイケル・B・ジョーダン(以下、ジョーダン):まずライバルというのは、お互いをライバルと認め合うまでの過程が大切だと思います。どちらかが一方的に勝ち続けたら面白くありませんから、両方が少しずつ勝利を重ねて、どちらが勝つかわからないというバランスが肝心なのではないでしょうか。あとは、2人が辿ってきた過去、歴史がライバルの関係をより豊かにしてくれると思います。

ーー本作を観ながら、もしかしたらアドニスがデイムに、デイムがアドニスになっていたかもしれないという可能性を感じました。

ジョーダン:まさしくそれは僕が描きたかったことです。彼らはコインの表と裏のような関係で、それは僕の個人的な経験からも深掘りしたかった部分でした。僕はニュージャージー州のニューアーク出身で、もしあの街を出なければ、カリフォルニアに引っ越さなければ、俳優を志さなければ、映画に出演しなければ、今とは全く違った人生を生きていたと思います。実際、今もニュージャージーに残っている友人は多くいますが、同じような境遇で育っても違う結果が出たときに、「なんで君が特別なんだ」「なんで自分じゃないんだ」と考える人っていると思うんです。アドニスも最初はデイムに憧れていて、そのことが知らず知らずの内にデイムに自信を与えていました。ところが、デイムが刑期を終えて出てくると、チャンピオンになって有名人になったアドニスがいるわけです。デイムは、そんなアドニスに対して“貸し”があると思っている。そこからこの物語は面白くなっていくわけです。

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