『シークレット・ファミリー』“黄金ケミ”チャン・ヒョク×チャン・ナラはやはり最高だった

 物語は、終盤に近付くにつれ、銃撃戦やアクションシーンが満載となり、画面や演出も暗いものに。チャン・ヒョクのアクションの見事さは言うまでなく、お得意のカッコいいイケおじ姿に痺れまくるのだが、チャン・ナラのアクションシーンも素晴らしい! 童顔でかわいい役を演じることが多かったチャン・ナラが、銃を構えてスタイリッシュにアクションシーンを演じるのに違和感がないのだ。おしとやかでキュートな女性から、アクションまで演じ、翳りを帯びた眼差しまで、本作のチャン・ナラはひと味違う。

 前半の物語とは別作品のような不穏な空気と緊迫感の息抜きは、おじいちゃんや、愛娘のミンソ(シン・スア)の存在だ。影の黒幕風の一家のおじいちゃんが、ただのおじいちゃんとして老いらくの恋にいそしんでいたり、ミンソの幼い恋や、ユラと過去に関係のあったチョ・テグ(キム・ナムヒ)とミンソの関係性にホッとさせられ癒される。

 全編を通して、子役のシン・スアの演技は脱帽ものだ。同級生に恋をする、ませた姿に苦笑させられ、テグとの関係では涙腺を刺激される。表情豊かで芸達者であり、子役から成長し、この子が他の役を演じる姿も見てみたいと思わせる力のある子役だ。シン・スア演じるミンソとテグが触れ合う中で、テグが娘を亡くした過去も明かされるのだが、テグの悲しみの深さが、ミンソを見る目に宿っていて切なくなる(キム・ナムヒの演技がいい!)。テグがミンソからの呼び出しを無視できなかったり、わがまま放題のミンソに怒ることもなく、彼女の望みを叶えるのは、今は亡き娘にミンソがかぶるのだろう。テグとミンソのシーンは人気も高く、SNSでも「(ミンソとテグ)この2人のスピンオフ映画とか見てみたい」、「テグとミンソコンビが面白かわいくて良かった!」と高評価の声が多い。

 物語は、ドフンとユラが協力して、組織の攻撃から自分たちと家族を守るまでが描かれたのだが、ラストでテグに異変が起きたのが非常に気になるところだ。全12話の物語の中で、シーズン2の可能性を視野に入れながらのラストなのか。はたまた、観る側の想像にお任せしますの“オープンエンド”なのかはわからない。しかし、ミンソとテグのコンビのファンが多い中で、シーズン2がもしあるのならば、ふたりの物語はぜひとも見たいシーンナンバー1ではないだろうか。本作は、チャン・ヒョク×チャン・ナラの黄金ケミが最高だったのはもとより、ミンソとテグという新たな叔父と姪(?)のコンビも生み出した。全12話じゃ物足りないほど、このファミリーたちをまだまだ観ていたい、そう思わせてくれる作品だった。

■配信情報
『シークレット・ファミリー』
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