『水星の魔女』あまりにも残酷なスレッタの“喪失” リプリチャイルドの語源が今後の鍵に

 「スコア8なら僕は自分の意思で動ける。パイロットはもう必要ないんだ」ーースコア8に到達した今、スレッタは用済みになってしまった。スコア8に到達するまでのパイロットとしてのエリクトがスレッタだったのである。コックピットから弾き出されたエアリアルの視点はグルグルと回転しながらエアリアルを捉えるが、その目線の動きがスレッタの動揺を表しているようで切ない。そして、プロスペラは「エリクトの言う通り」と学園へ戻るようにスレッタを引き離す。泣き喚くスレッタはまるで赤子。プロスペラのスレッタに対する愛はまったくないとばかり思っていたが、スレッタには自由に生きてほしいと少しでも思っていたことが分かったのが唯一の救いだ。

 とはいえ、ミオリネもグエルもプロスペラも、スレッタのことが大好きだからこそ、これから起きる争いへは巻き込みたくない。その手段があまりにも一方的すぎるのが問題だ。スレッタにはミオリネやプロスペラから捨てられたという喪失感だけが残っている。「空っぽな私たち」という第18話のタイトルだが、スレッタは文字通り空っぽになってしまった。だが、先述のようにスレッタには帰りを待っている仲間が大勢いる。きっとチュチュたちがスレッタのケアをしてくれるはずだ。スレッタが闇堕ちする展開もあるだけに、次回以降の展開から目が離せない。

 さて、根回しで優位に立ったシャディクがこれからどう出てくるのか、総裁選はきっとシャディクの圧勝では終わらないはず。地球へと向かったミオリネたちは安全にデモ側と対話を図り、実績を積み重ねることができるのか。地球にはフォルドの夜明けもいる。一悶着どころか、地球を舞台に大きな戦争が起こる可能性も否定できない。

■放送情報
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』
Season2:MBS/TBS系全国28局ネットにて、毎週日曜17:00〜放送
企画・制作:サンライズ
原作:矢立肇、富野由悠季
監督:小林寛
出演:市ノ瀬加那(スレッタ・マーキュリー)、Lynn(ミオリネ・レンブラン)、阿座上洋平(グエル・ジェターク)、 花江夏樹(エラン・ケレス)、古川慎(シャディク・ゼネリ)
シリーズ構成・脚本:大河内一楼
キャラクターデザイン原案:モグモ
メインキャラクターデザイン:田頭真理恵、
キャラクターデザイン:戸井田珠里、高谷浩利
メカニカルデザイン:JNTHED、海老川兼武、稲田航、形部一平、寺岡賢司、柳瀬敬之
音楽:大間々昂
©創通・サンライズ・MBS
公式サイト:g-witch.net
公式Twitter:@G_Witch_M
公式TikTok:@g_witch_m

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