『王様に捧ぐ薬指』『どうする家康』『岸辺露伴』 長尾謙杜、役者として次のステージへ

 NHK大河ドラマ『どうする家康』(NHK総合)第16回、そして火曜ドラマ『王様に捧ぐ薬指』(TBS系)と、立て続けに注目作に出演しているなにわ男子の長尾謙杜。グループ活動と並行してコンスタントに芝居を続けている。本稿では、直近の出演作品を踏まえながら俳優としての活躍ぶりをまとめてみたい。

 1月8日からスタートした松本潤が主演を務めるNHK大河ドラマ『どうする家康』の第16回で、松本が演じる徳川家康の義弟・松平源三郎勝俊役で長尾は出演した。

 幼少期から兄のようになりたいと家康を慕ってきた源三郎は、家康の依頼を受けて武田家の人質として甲斐に行くことを受け入れた。羨望の眼差しを向けた幼少期のまっすぐな思いのまま成長した様子が伝わってくる、使命感に満ちた表情を浮かべていた。しかし甲斐では酷い仕打ちに遭い、気力も体力も奪われた様子で衰弱してしまう。

 届いた手紙に違和感を感じた於大の方(松嶋菜々子)の要望で、どうにか救出された源三郎。床に伏したまま、力なき様子ではあったが、それでもわずかな力を振り絞るようにして武田信玄(阿部寛)からの言付けを家康に伝えた。信玄との対話では、弱った体をそのままに目のわずかな動きで動揺する心情を表現。人質として甲斐に出向く際の家康への尊敬、羨望の眼差しを向ける表情から、衰弱しながらも力を振り絞るようにして任務を果たした。長期に及ぶ大河ドラマの中では少ない出演かもしれないが、物語に馴染みながら、家康を奮い立たせる場面を印象づけた。

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 5月9日からスタートした火曜ドラマ『王様に捧ぐ薬指』では、橋本環奈が演じる羽田綾華の弟・陸役で出演中。“ド貧乏”と紹介されている羽田家の長男で、小説家志望の大学生という役どころ。5人姉弟の長男として、小学3年生のちょっとおませな妹・風華(宮崎莉里沙)を筆頭にかわいがったり面倒を見たりと長男らしい一面も見えてきた。

 本作は契約結婚ならぬ偽装結婚をコミカルに描いた作品で、綾華のメッセージの誤爆を受けて2人の関係性に踏み込んだ陸。姉を心配しつつも交渉に出る実はしっかり者。控えめながらも存在感があり、出すぎずに物語を動かしていく。そんな弟ならではの演技を見せている。また、Paraviではスピンオフドラマとして『女王様に捧ぐ薬指』で主演を務めるなど、20歳のいまだからこそのポジションでの活躍が続く。

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