『らんまん』神木隆之介、浜辺美波との再会に「ズギャンッ!」 2人の強烈な共通項に注目
朝ドラ『らんまん』(NHK総合)第30話で、万太郎(神木隆之介)は寿恵子(浜辺美波)との待ちに待った再会を果たす。それは思わず「ズギャンッ!」と声に出してしまうくらいの、衝撃的でいて、いつまでも色褪せない初々しい胸のトキメキだ。
暮らすことを決めた「十徳長屋」のほど近くにある和菓子屋の「白梅堂」。寿恵子に会えることを信じて万太郎と竹雄(志尊淳)は店を訪ねるも、そこで店番をしていたのは菓子職人の阿部文太(池内万作)だった。長屋のみんなにと、いつもの調子で饅頭を全て買い占めていく万太郎。店番のすれ違いでニアミスをしていた寿恵子は、道端で落ち込む見覚えのある背中にひょこっと身を乗り出し声をかける。
ここで筆者がハッとしたのは、万太郎と寿恵子がお互いに名前も知らない間柄だったということだ。一目惚れした万太郎が知っているのは白梅堂の娘だということで、寿恵子は「カエル様」という呼び名と草花が話しかけてしまうほどに好きだということ。突如姿を見せる寿恵子に万太郎は動揺を隠せないが、草花のことを聞かれると、ゆっくりと、けれど熱くその思いを話し始める。
「会えるがは、一期一会です」「出向いても必ず会えるわけじゃない」「ありふれた草花でも、おんなじもんは2つとない」「こうして出会えたことが奇跡」――万太郎は自身の中にある草花への信念を人に、つまりは寿恵子へと置き換えていく。この第6週では週タイトルになっているドクダミも、タンポポも、まだ名も知らぬ標本の花も、同じ花は2つとなく、それは倉木隼人(大東駿介)や万太郎にも例えられるというのが今週の一つのテーマでもあるが、全てはこのためだったのではと思えるタイミングでの寿恵子との再会だ。後に万太郎は寿恵子を「生きてきた中で、一番瑞々しい、可愛らしい花」と言い表している。
冒頭で先述した「ズギャンッ!」は、寿恵子の満開の笑顔に心打たれた万太郎の口から飛び出た擬音であり、これは台本のト書きを実際にセリフとして取り入れた神木隆之介のアドリブ。『らんまん』が放送開始になる前の事前番組『もうすぐ!らんまん』の時点で紹介されていた、序盤を代表する『らんまん』の名セリフに数えられよう。寿恵子に再び会えた喜びから「たんたんたん」と上機嫌にステップを踏む万太郎(これらも全て神木のアドリブなのではないかと思えてくる)。一方の寿恵子も、口元が緩み、ニマニマが止まらずにいた。