『どうする家康』阿部寛の説得力があり過ぎる武田信玄 家康にどんな恐怖を刻み込む?
また、阿部寛を語るうえで、特殊メイクなしで古代ローマ人を演じて話題になった映画『テルマエ・ロマエ』シリーズも忘れてはならない。古代ローマ人の正装で白い1枚布の上着であるトガをあれほど完璧に着こなせる存在が、現在の日本に他にいただろうか。
本作の武田信玄の平服が白い麻の生地に「武田の赤備え」をイメージした赤い縁取りになっていて、素朴さの中にカリスマ性が漂うあたりは、『テルマエ・ロマエ』シリーズのルシウス・モデストゥスを想起させる。時代も、ときに国籍さえも超えてその登場人物に説得力を持たせることができるのは、阿部寛という俳優が唯一無二の存在である証ともいえる。
今回、武田信玄を演じる阿部寛においては、彫りの深い顔立ちにヒゲがとにかく目立つ。このヒゲの分量だけでも、只者ではないことは十分に伝わる。敵に回すと怖い、戦で戦いたくない相手として強烈な印象を残している。
戦乱の世を力強く、賢く生きた戦国大名をこれほど魅力的に、威風堂々と演じてくれる阿部寛。これから家康に対してさらに影響力を発揮していくことになるだろう。
参考
※ https://www.nhk.or.jp/ieyasu/cast/takedashingen.html
■放送情報
『どうする家康』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00~放送
主演:松本潤
脚本:古沢良太
制作統括:磯智明
演出統括:加藤拓
音楽:稲本響
写真提供=NHK