『ルパンVS複製人間』は時代背景を知るとさらに楽しめる 屈指の悪役マモーが暗躍

 『ルパンVS複製人間(クローン)』がヒットして以降、劇場用作品はもとより、OVAやTVスペシャルの長編ルパンが不定期に制作されるようになった。そのTVスペシャル初期作品でキャラクターデザインを担当した古瀬登は、この『ルパンVS複製人間』の仕事がアニメ業界のほぼデビュー作で、本作に愛着があったが故に(スペシャル版の)キャラを似せてデザインしたと打ち明けている(※出典はVAPから2012年に発売されたソフト『ルパン三世 Master File』のインタビュー映像)。

 映画後半でマモーの研究施設を見たルパンが「瓶詰めの赤ん坊」という台詞を口にするが、これは1978年に海外で成功した体外受精を“試験管ベビー”と報じ、ちょっとした流行語になったことに起因しており、また「ルパン音頭」の歌詞の2番に「モンテカルロやイスタンブール」といった特定の国名が出るのは、歌手の庄野真代が1978年に歌った「飛んでイスタンブール」と「モンテカルロで乾杯」のヒットがあったからこそだろう。こういった映画の製作年度の時代背景を知った上で鑑賞すると、何倍も楽しい映画だ。

■放送情報
『ルパン三世 ルパンVS複製人間』
日本テレビ系にて、4月28日(金)21:00~22:54放送
原作:モンキー・パンチ
監督:吉川惣司
脚本:大和屋竺、吉川惣司
音楽:大野雄二
声の出演:山田康雄、小林清志、井上真樹夫、増山江威子、納谷悟朗、西村晃
©TMS

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