少年忍者 川﨑皇輝、ドラマ単独初主演作で昏睡状態の男子高校生役に 共演に大東立樹

 「テレビ朝日新人シナリオ大賞」第22回大賞に選出された『拝啓、奇妙なお隣さま』が川﨑皇輝主演でドラマ化され、2023年夏にテレビ朝日系で放送されることが決定した。

 2000年7月の創設以来、数多くのシナリオライターを輩出してきた「テレビ朝日新人シナリオ大賞」。1064篇の応募が集まった第22回では、若杉栞南の『拝啓、奇妙なお隣さま』が大賞に輝いた。若杉は2022年9月の発表当時22歳で、史上最年少。最終選考委員から「10年にひとりの逸材」と評された。

 本作は、昏睡状態となって入院した男子高校生・山本陸(川﨑皇輝)が、同じ病室に入院中の患者=“お隣さん”2人と意識の中で会話を繰り広げていくというストーリー。世代も立場も異なる3人の心の交流、そして彼らを思う家族のドラマが描かれる。

 ひき逃げ事故に遭った高校生・陸は数日後、病室のベッドの上で目を覚ました。その直後、同室の患者である高校教師・桑部辰郎とベテラン声優・川口修吉に話しかけられ、困惑する。なぜなら、陸は事故のせいで意識障害、いわゆる昏睡状態に陥っており、修吉は3年、辰郎は1年以上、同じ状態だったからだ。“目覚めた”といっても身体を動かすこともできず、3人が意識下で会話をしていることは誰も気づかない。にもかかわらず、辰郎と修吉は病人とは思えないほど陽気で、陸は彼らの明るいトークに面食らう。

 ところが翌朝、陸にとってショックを受ける出来事が起き、陸は自らが“死にたくても生かされて、生きたくても死ぬかもしれない”という危うい状況に置かれていることを痛感する。そんな中、修吉が口ずさんでいた詩が、彼の娘で詩人の史子の作品であることを知った陸。辰郎は、陸の意識が完全に戻って元の世界に帰ったら、作者である彼女から直接その詩について教えてもらえばいいというが、陸自身は“ある理由”から目覚めることに対して前向きになれない。その頃、辰郎の息子・佑太(大東立樹)もまた、史子の詩に興味を持っていた。

 最終選考委員を務めた脚本家の井上由美子は「悲劇と喜劇、絶望と希望のバランスが巧み」、岡田惠和は「さまざまな思いを整理して書いたところに技術の高さを感じる」、両沢和幸は「大胆でユニークな発想。隅々までアイデアを目配せして書かれた素晴らしい脚本」と、こぞって絶賛。井上は「この10年の受賞作の中で最も好きな作品。才能は重いものなので、溺れないように頑張っていただきたい」とエールを送った。

 “昏睡状態の主人公たちが意識下で語り合う”という設定について、岡田は「基本的には心の声だけで芝居をしてもらう……という、プロになって俳優さんのことを考えるとなかなか書けないタイプの脚本。でも映像になったものを観てみたい」と映像化に期待を寄せた。

 主人公・陸役を務めるのは、少年忍者の川﨑。2021年、鴻上尚史作・演出の舞台『ロミオとロザライン』で主演を務めた川﨑が、本作でドラマ単独初主演を果たす。川﨑は、自身が主演であることを「ドラマの話を伺った後、資料を見たときに知りました」と明かし、「シナリオは本当に素敵なので、後は自分の芝居次第だと思い、緊張感もありました」と語った。

 また、陸と同室の患者の息子・佑太役で、大東立樹(ジャニーズJr.)が参加。大東は、6月にミュージカル初主演となる舞台『ダーウィン・ヤング 悪の起源』の開演が控えている。ベッドに横たわっての演技がメインの川﨑とは対照的に、サッカーに熱中する高校生役を担う大東は、メイクで日焼け肌に変身。「自分が出るシーンでないときの撮影でも共演者の方々のお芝居を見学させていただき、たくさんのことを吸収することができました」とコメントした。

 川﨑と大東は本作がドラマ初共演となるが、川﨑は「非常に心強かったです。(大東は)役と年齢もぴったりで、絶対に素敵な役になると感じたので、さらに主演としての緊張感が高まりました」と話し、大東も「撮影中は陸として生きているんだなと感じてしまうくらいお芝居に対して真摯な姿に、改めて尊敬しました」とコメント。川﨑は、視聴者に向けて「命やその最期をもテーマにした作品ですが、必ず、生きることに対して明るく前向きにしてくれる作品です」とアピールした。

 なお、本作は「テレビ朝日新人シナリオ大賞」応募時、2時間想定の作品だったが、選考委員とも協議の上、放送にあたって60分サイズの脚本にリライトされている。

川﨑皇輝 コメント

脚本を初めて読んだときの感想

本当に素敵な作品だと感じました。患者たちの意識の中だけの会話という着眼点と発想にはとても驚きましたし、この設定だからこそ描ける心情の変化や人間関係は、今までのどのドラマにもなかった新しい魅力のように思います。
人の命の儚さや脆さと同時に、力強さも描いている作品なので、一つ一つが非常に繊細に描かれており、だからこそ、主人公を演じることへの責任も非常に強く感じました。

オファーを受けたときの心境

自分が主演を務めさせていただくことは、ドラマの話を伺った後、資料を見たときに知りました。まさか自分が主演を務めさせていただくとは思っていなかったので、もちろんとても驚きましたが、大役を任せていただけたこと、とてもうれしく感じました。シナリオは本当に素敵なので、皆さんにどのように感じ取っていただけるか、後は自分の芝居次第だと思い、とても緊張感もありました。

山村陸役を演じる上で意識したこと、自身との共通点、相違点

主人公の山村陸は、ある意味“とても普通の少年”です。何事もなく学校に行き、何事もなく家族と接していました。そんな彼だからこそ、皆さんも共感できる部分が多いのではないかなと思っています。
また陸と僕の共通点ですが、似ている部分が多いように感じました。そのためお芝居自体も監督と相談しながら、自然体に近い状態で演じさせていただいています。なるべくナチュラルになるようにと指導をいただきながら撮影をしたので、そんな空気感も見ていただければと思います。

“命”について考えたこと

遷延性意識障害という、いつ死んでしまうのか分からないような状態にいる患者たちをメインとした作品であるが故に、命の大切さや、生きていることに対して、演技をしながら深く考えさせられることが多くありました。見ていただいた皆さまも、感じることはさまざまかと思いますが、きっと明るく前向きにさせてくれる作品だと思います。

大東立樹と共演が決まったときの心境

大東とは、ドラマ以外の現場ではよく一緒に仕事をしているので、共演を知ったときは非常に心強かったです。役と年齢もぴったりで、絶対に素敵な役になると感じたので、さらに主演としての緊張感が高まりました。
作中、サッカーに熱中している役なのですが、大東本人が色白すぎたため、日焼けを模して肌を茶色くしています。日焼けした大東が、撮影1週間たっても結局見慣れませんでした。

視聴者へのメッセージ

命やその最期をもテーマにした作品ですが、必ず、生きることに対して明るく前向きにしてくれる作品です。この作品が自分の初単独主演作品であることをとてもうれしく思いますし、本当に素敵なシナリオですので、より多くの方々に見ていただきたいと思っています。素敵なお話を壊さぬよう、精一杯演じさせていただきましたので、ぜひ見届けていただけるとうれしいです。

大東立樹 コメント

脚本を初めて読んだときの感想

最初に台本を拝見したとき、全ての登場人物において、本当に共感できる部分が多いと感じました。その影響もあり、すぐに物語に入り込むことができ、感動しました。こんなにも素晴らしい作品に出させていただけることに、ワクワクしたことを今でも覚えています。

オファーを受けたときの心境

素敵な作品で、素敵なキャストの方々とご一緒できることがとてもうれしかったです。
僕が演じさせていただく佑太は、涙を流すシーンが多々あり、正直難しさも感じましたが、同時に絶対に成功させたいという思いにもなりました。

桑部佑太役を演じる上で意識したこと、自身との共通点

佑太は人望が厚く、ストイックで真っ直ぐな少年です。ちょっと反抗期だったり、でも家族が大好きだったり。
僕自身が演じる上ですごく意識しなくてはいけなかった点は、父が亡くなってしまうかもしれないという背景があることです。自分が出るシーンでないときの撮影でも共演者の方々のお芝居を見学させていただき、たくさんのことを吸収することができました。
佑太との大きな相違点は、焼けた肌です。メークさんのお力をお借りして焼けた肌を手に入れることができました。自然に塗っていただき、メークさんの偉大さにも感服しました。

“命”について考えたこと

僕はさまざまな方に支えられて生きていることを改めて実感しました。当たり前に生きている今も、ある日突然になくなってしまう時が来るかもしれない、日頃から当たり前だと思わず、常に周りの環境に感謝することの大切さを改めて知ることができました。

川﨑皇輝と共演が決まったときの心境

皇輝くんにはいつもお世話になっており、優しくしてくださっていたのでご一緒させていただけることが本当にうれしかったです。撮影外ではいつもの皇輝くんで、撮影中は陸として生きているんだなと感じてしまうくらいお芝居に対して真摯な姿に、改めて尊敬しました。とても素敵なお芝居でした。

視聴者へメッセージ

役名のあるドラマに初めて出演させていただいたこともあり、正直不安もありますが、僕なりに全力で演じることができました。いろいろな背景のなかで生まれるたくさんの感動が詰まっています。それぞれのキャラクターに注目しながら、楽しんで見ていただきたいです!これからも精進しますので、あたたかい目で見守っていただけたらうれしいです。

■放送情報
『拝啓、奇妙なお隣さま』
テレビ朝日系にて、2023年夏放送
出演:川﨑皇輝(少年忍者/ジャニーズJr.)、大東立樹(ジャニーズJr.)
ゼネラルプロデューサー:服部宣之(テレビ朝日)
プロデューサー:髙木萌実(テレビ朝日)、山川秀樹(テレビ朝日)、布施等(MMJ) 
演出:竹園元(テレビ朝日)
脚本:若杉栞南
制作:テレビ朝日、MMJ
©︎テレビ朝日

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