『ロング・グッドバイ』『イメージズ』など上映 「ロバート・アルトマン傑作選」開催決定

 ロバート・アルトマンの初期3作品を上映する「ロバート・アルトマン傑作選」が、5月26日より角川シネマ有楽町にて開催されることが決定した。

 アルトマン監督は、『M★A★S★H マッシュ』で監督としての地位を確立して以降、『ナッシュビル』、『ウェディング』、『ザ・プレイヤー』、『ショート・カッツ』などの作品を発表してきた。さらに世界三大映画祭の全てで最高賞を受賞しながらも、国家や固定観念を徹底的にコケにし、度重なる興行的失敗もあってハリウッドを追われた。その挑発的なアティチュードや際立った個性に彩られた作品群は、ポール・トーマス・アンダーソン監督が『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』を彼に捧げているのをはじめ、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、ジム・ジャームッシュ、コーエン兄弟などの映画監督たちに影響を与えた。

 今回上映されるのは、『雨にぬれた舗道』、『イメージズ』、『ロング・グッドバイ』のアルトマン監督のキャリア初期3本。ホラー、スリラー、幻想的映画、そして「女性映画三部作」ともうたわれる作品群の第1作目にあたる『雨にぬれた舗道』は、ブルジョワの婦人と見知らぬ青年の奇妙な関係を描き、サンディ・デニスが主演を務めた。当時の劇場公開から約半世紀の時を経てスクリーンに蘇る。

 「女性映画三部作」の第2作にあたる『イメージズ』は、幻視や幻聴に悩まされる女性の姿をエキセントリックな映像技術を駆使してとらえた。主演を務めたスザンナ・ヨークが第25回カンヌ国際映画祭女優賞を受賞するなど高い評価を得ているが、日本での劇場公開は今回が初となる。

 今年全米公開50周年を迎える『ロング・グッドバイ』は、本国でもフィルム上映されるなど盛り上がりを見せている。

■公開情報
「ロバート・アルトマン傑作選」
5月26日(金)より、角川シネマ有楽町ほかにて全国順次ロードショー
公式サイト:http://altman2023.com/

『雨にぬれた舗道』(1969年)
脚本:ギリアン・フリーマン、レオン・ミレル
撮影:ラズロ・コヴァックス
出演:サンディ・デニス、マイケル・バーンズ、スザンヌ・ベントン、ルアナ・アンダース

『イメージズ』(1972年)
脚本:ロバート・アルトマン、スザンナ・ヨーク
撮影:ヴィルモス・ジグモンド
出演:スザンナ・ヨーク、ルネ・オーベルジョノワ、マルセル・ボズフィ

『ロング・グッドバイ』(1973年)
脚本:リー・ブラケット
撮影:ヴィルモス・ジグモンド
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:エリオット・グールド、ニーナ・ヴァン・パラント、スターリング・ヘイドン、マーク・ライデル、ヘンリー・ギブソン

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