志尊淳は感情演技を追求し続ける 『らんまん』で発揮する神木隆之介との抜群の相性
連続テレビ小説『らんまん』(NHK総合)で、主人公・万太郎(神木隆之介)のお目付け役の竹雄を演じている志尊淳。竹雄は酒蔵「峰屋」の番頭の息子で、万太郎の祖母・タキ(松坂慶子)から、常に当主である万太郎のそばにいるように命じられ、子どもの頃から一番の理解者として万太郎を支え続けている。そんな竹雄は、万太郎の姉・綾(佐久間由衣)に密かに想いを寄せているが、身分が違うため、グッと気持ちを抑えている様子が伝わってくる。
綾が蔵人の幸吉(笠松将)と急接近するのを見て、冷たい水を頭から浴びる竹雄。綾への想いが増すほど切なさも増していく竹雄の表情を、志尊は視聴者が感情移入できるほど好演している。隣にいても竹雄の想いに全く気づかないが、ずっと仲良しで、一緒にいるのが当たり前になっている万太郎を演じる神木との相性は、第3週にしてすでに抜群だ。実際、神木とは公私ともに親しくしているようで、『らんまん』への出演が決まった際には「尊敬する大好きな友人の力になりたい」とコメントしていたほどだ。
志尊はモデルからキャリアをスタートさせ、2011年にミュージカル『テニスの王子様』で俳優デビュー。2013年には瀬戸康史や山田裕貴も所属しているワタナベエンターテインメントの若手男性俳優集団「D-BOYS」のメンバーとなり、2014年には『烈車戦隊トッキュウジャー』(テレビ朝日系)の主人公ライト/トッキュウ1号役に抜擢された。戦隊好きの筆者は、好奇心旺盛でポジティブなライトを演じる志尊の愛らしさに心を奪われ、番組終了後も「彼の活動に注目していかなければ!」と思ったのを覚えている。
山田裕貴、志尊淳、瀬戸康史らの“帰る場所” 俳優集団D-BOYSが培った個性と存在感
山田裕貴、志尊淳、瀬戸康史らを輩出している俳優集団D-BOYS。2004年に結成されたワタナベエンターテインメントに所属する男性…
2017年の主演ドラマ『きみはペット』(フジテレビ系)などでもキュートな魅力を振りまいた志尊の俳優としての転機になった作品は、2018年の『女子的生活』(NHK総合)だろう。トランスジェンダーの主人公・みきを、徹底した役作りと秀逸な演技で体現し、視聴者を釘付けにした。ここから演技の幅をどんどん広げていった志尊は、同年『半分、青い。』(NHK総合)にも出演。豊川悦司が演じる漫画家・秋風羽織のアシスタントで、ゲイの美青年・藤堂誠を演じた。「僕って~」と言うのが口癖のため、「ボクテ」という愛称で呼ばれる彼と、永野芽郁が演じる主人公・鈴愛たちとのやり取りがコミカルで、初めての朝ドラでまた新境地を開くこととなった。