『スター・ウォーズ』新作映画はどんな内容に? 異なるタイプの3人の監督たちが紡ぐ物語

 『スター・ウォーズ』がスクリーンに帰ってくる。

 過日、ロンドンで開催された祭典「スター・ウォーズ・セレブレーション ヨーロッパ 2023」にて、新作映画3本の発表が行われたのだ。

『スター・ウォーズ』にレイがカムバック ジェームズ・マンゴールドらで新作映画3本製作へ

イギリス・ロンドンにて開催中の「スター・ウォーズ・セレブレーション」にて、『スター・ウォーズ』の新作映画の製作が発表された。 …

 ここ数年の同シリーズは、ディズニープラスでのドラマシリーズを中心に展開してきたが、やはり『スター・ウォーズ』の壮大な世界は大きなスクリーンと立体的な音響空間でこそ真価を発揮するだろう。『スター・ウォーズ』のスクリーンへの帰還は、世界中のファンが待ち望んでいたに違いない。

 今回発表された3本の新作映画は、それぞれ銀河の歴史の「過去・現在・未来」を描くものになるという。その内容はいまだベールに包まれているが、現時点で発表されていることから推察してみよう。

ジェダイの起源に迫る過去の物語

 『スター・ウォーズ』といえば、冒頭に「遠い昔、はるかかなたの銀河系で」のテロップから始まるのが慣例だ。この銀河には長い歴史があり、我々がこれまで観てきた物語は、その歴史のほんの一部に過ぎないわけだ。これまで語られてきた物語は、主にルーク・スカイウォーカーの活躍した時代から前後何十年かの時期に集中していたが、この世界の歴史は実際にはもっと長大なはずだ。

 今回発表された過去を描く作品は、そんな銀河の歴史の奥深さを一層深めることになることが期待される。ジェームズ・マンゴールドが監督を務める過去を描く新作映画は、「オリジナル・トリロジー(EP4〜6)」の約2万5000年前が舞台で、フォースを操る最初のジェダイについての物語だという。『スター・ウォーズ』の世界を特徴づける「フォース」の源泉、この力がどのように誕生したのかを掘り下げる内容ということだろう。その秘密が描かれることで一層、『スター・ウォーズ』世界は奥行きを増すはずだ。

マンダロリアンたちの物語の集大成

(左から)ジェームズ・マンゴールド、デイヴ・フィローニ、シャルミーン・オベイド=チノイ

 現在に位置づけられる作品を手掛けるのは、デイヴ・フィローニ監督。フィローニ監督は、ディズニープラスの看板の1つである『マンダロリアン』シリーズを手掛けるクリエイターで、新作映画はその『マンダロリアン』や『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』、そして今後配信が予定されている『アソーカ』などのシリーズを締めくくる内容となるようだ。フィローニ監督が手掛けたこれらのシリーズは、ファンにも支持されており、ディン・ジャリンやアソーカ、ボバ・フェットたちの活躍をスクリーンで観たいと思っていた人々には待望の発表だっただろう。

 「プリクエル・トリロジー(EP1〜3)」と「シークエル・トリロジー(EP7〜9)」の空白期間にあたるこれらのシリーズでは、銀河帝国の残党たちとの戦いが描かれるが、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』で登場する組織「ファースト・オーダー」につながる話も出てくるのだろうか。

新しい時代区分に突入する未来の物語

(左から)デイジー・リドリー、キャスリーン・ケネディ、シャルミーン・オベイド=チノイ

 今回の最も大きなサプライズとなったのは、エピソード9『スカイウォーカーの夜明け』の15年後を描く未来の物語が発表されたことだろう。シャルミーン・オベイド=チノイが監督を務めるこの作品では、デイジー・リドリー演じるレイが再登場することが公表され、彼女がジェダイ・オーダーを再興する物語になるという。これまでの正式な時代区分としては、『スカイウォーカーの夜明け』が最も先の時代であり、この作品によって新しい時代区分が幕を開けることになると言える。

デイジー・リドリー、『スター・ウォーズ』帰還に喜び 「再び招いてくれてありがとう」

現地時間4月7日から10日にかけてイギリス・ロンドンにて開催中の「スター・ウォーズ・セレブレーション」。現地時間4月7日、ルーカ…

 ここのところ製作されてきた『スター・ウォーズ』の物語は、人気キャラクターのスピンオフやどこかの時代の空白期間を埋める物語だったが、この未来を描く作品によって、ディズニーは正式に『スター・ウォーズ』の世界を前に進める意思表示をしたことになると言えるだろう。銀河の歴史はさらに進み、壮大な物語が紡がれ続けるということだ。これは、今回発表された新作映画の中でも、最もチャレンジングな作品となるに違いない。

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