松山ケンイチ×長澤まさみ、“ベスト”だった初共演を語り合う 仕事を続ける上での原動力は?
長澤「松山さんは、いつもみんなを驚かせて楽しませてくれる」
ーー松山さんと長澤さんは年齢もキャリアも近いですが、お互いの存在をどのように見ていたのでしょう?
長澤:松山さんは本当にいろいろな役をやられていますよね。私は『デトロイト・メタル・シティ』のアニメ版で声をやっていたので、松山さんが主演を務められていた実写版を映画館に観に行ったときに、「こんなこともやるんだ!」とすごい衝撃でした(笑)。アニメで声優をやっていたからこそ、「実写だとこういうふうになるんだ!」とビックリして。松山さんは、いつもみんなを驚かせて楽しませてくれる俳優、という印象があります。
松山:僕は長澤さんのことを“スター”だなって思っています(笑)。
長澤:え~(笑)。
松山:いや、スターになれる人って本当に限られてくると思うんです。多くの人に活力を与えられる存在で、本当にたくさんの人たちの救いにもなっていると思うんですよね。長澤さんは本当に数少ないスターだなと。スターになれる人の方が圧倒的に少ないし、僕なんかは絶対になれないので。
長澤:えー!? そうですか?(笑)
松山:僕もスターになりたいって本当に思うんだけど、でも実際は難しいんですよ……。やっぱり、“ただその場にいるだけでいい”っていうのが成立する人ですよね。その人がいるだけで引き込まれてしまうっていう。もちろん技術は技術で大事ですけど、そういうことではなくて、持って生まれたものなんですかね……。長澤さんはそれプラス本当にいろんな演技をするから、僕なんかは勝てないですよ(笑)。
長澤:いやいやいやいや(笑)。ありがたいです!
ーーお二人とも、20年以上も第一線で活躍し続けられていますよね。その原動力はどこにあるんでしょう?
松山:長く続けてこれたのは、周りの方々に恵まれているというのは間違いなくあると思います。もし自分1人の技術がすごくても、上手いからという理由だけで続けていけるものではないと思うんです。芝居が上手い人も、技術が高くて多くの人を感動させられる人も、この世界にはたくさんいますが、それでも人との出会いの中で、出たり入ったりが繰り返されていて、“海”のような世界だなと思うんですよね。自分が今この場所にいられるのは周りの人たちのおかげなので、本当に感謝しかないですね。
ーー長澤さんはいかがですか?
長澤:私は「仕事だしな……」って思えると頑張れるんです(笑)。自分のために頑張りたいと思うと、だんだん疲れてきたり、頑張れなくなったり、気持ちが折れそうになったりするんですけど、「これが自分の仕事だから」って思うと頑張れてしまう。その中で、映画作りだったり、ドラマや舞台などエンターテインメントを作っている人たち、周りにいるスタッフの方々の熱意に勇気づけられるところがあって。「みんなも毎日一生懸命働いていて、早く帰りたいよな」と思うと、私も集中して頑張らなきゃ、と思えたりして(笑)。いいんだか悪いんだかわからない考え方なんですけど、誰かのせいにして、誰かのために頑張る。そうやって周りの人たちに支えられていることを実感しながら続けていたら、20年経っていたという感じです。
ーー今後も俳優を続けていく中で、何か意識していること、考えていることがあれば教えてください。
松山:この間、だいぶ昔のオードリーさんの漫才をたまたま見ていたときに、春日さんが「お笑いはバイトで、本業は春日だ」って言っていたんです。実は僕も同じことを考えているんです。本業は自分の人生で、結局、俳優とか他のことっていうのは副業でしかないというか。さっきの長澤さんの話にもつながるんですけど、そういうふうに考えないと、仕事に潰されちゃうなと感じていて。なので、この“俳優”という副業を、自分の人生にどう利用していくのかをこれからも考えていかなければいけないと思っています。本業である自分の人生には、まだまだやれることがたくさんあるので、その中のひとつである俳優という副業を、うまくリンクさせながら、相乗効果が生まれるとすごく面白いなと思っていて。なので、これからもそういうふうに進んでいきたいと思っています。
長澤:私は健康でいたいです(笑)。仕事とどう向き合うかは日々考え方が変わっているところではあるんですけど、健康で生きられる日々を過ごしたいなとは思っていて。やっぱり仕事のことだけを考えていると、役によっては辛いときもあって、そういうときは疲れてしまうことも多いんです。私たちは演じる役になりきろうとするのが仕事ですけど、実際にはその人ではないわけで、その人と同じような生き方をしないといけないというわけではない。役によっては入り込んでしまうと自分が疲弊してしまうので、自分を大事にしながら、健康でいるためにどういう働き方をすればいいかは、日々考えていて。なので、これからも“健康で生きること”を目標に続けていきたいと思います。
■公開情報
『ロストケア』
全国公開中
出演:松山ケンイチ、長澤まさみ、鈴鹿央士、坂井真紀、戸田菜穂、峯村リエ、加藤菜津、やす(ずん)、岩谷健司、井上肇、綾戸智恵、梶原善、藤田弓子、柄本明
原作:葉真中顕『ロスト・ケア』(光文社文庫刊)
監督:前田哲
脚本:龍居由佳里、前田哲
主題歌:森山直太朗「さもありなん」(ユニバーサル ミュージック)
音楽:原摩利彦
制作プロダクション:日活、ドラゴンフライ
配給:東京テアトル、日活
©2023「ロストケア」製作委員会
公式サイト:lost-care.com
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