『だが、情熱はある』髙橋海人×森本慎太郎の恐るべき“愛” 日曜夜が楽しみになる幕開け
「若林正恭役を演じます髙橋海人です」
「山里さんを演じさせてもらいます森本慎太郎と申します」
オードリーの若林正恭と南海キャンディーズの山里亮太が出演していた『午前0時の森』(日本テレビ系)に2人が登場した時、「なるほど、まったく“別物”として描くのだな」と勝手に納得した。4人が並んでいる写真を見ても似ているとは感じなかったし、なんなら「どっちがどっちを演じるんだっけ?」と思っていたほどだった。
しかし、4月9日にスタートした『だが、情熱はある』(日本テレビ系)を観て、驚かされた。そこにいたのは、キラキラアイドルの髙橋海人と森本慎太郎じゃない。冴えなくて地味で、それでも懸命に輝こうともがく2人が、ステージに立っていたのだ。
森本慎太郎は“アツさ”を体現する俳優だ 『だが、情熱はある』山里亮太役も納得の演技力
4月クールのドラマが続々と発表されはじめている今日この頃。新日曜ドラマ『だが、情熱はある』(日本テレビ系)の放送決定に伴うキャス…
まず、山里亮太を演じている森本は、ビジュアルから“山ちゃん”になりきっている。『ZIP!』(日本テレビ系)内で放送された朝ドラマ『泳げ!ニシキゴイ』で長谷川雅紀に扮していた時にも感じたが、彼はなぜこんなにも“染まる”ことができるのだろう。アイドルという職業であるにも関わらず、いい意味で守りに入らない。森本からは、芸人に対するリスペクトと深い愛が伝わってくるのだ。
ただ、長谷川にはスキンヘッド、山里には赤メガネと、それぞれ特徴的なトレードマークがあった。だからこそ、「染まりやすいのかな?」とも思ったが、『だが、情熱はある』で山里の学生時代を演じている時は、赤メガネをつけていないのに似ている。何が似ているのかは分からない。もちろん、普段テレビに出ている時に似ていると思ったことは一度もない。それなのに、仕草や表情などで視聴者に“そっくり”と思わせてしまうのだからすごい。その憑依っぷりは、山里本人からも「メガネがなくても山里になってくれる慎太郎くんのすごさ!」とお墨付きをもらっていた。
そして、若林役の髙橋はかなり寄せるのがむずかしかったと思う。そもそも、2人は顔の系統が正反対なことに加え、若林には象徴するトレードマークのようなものがない。それにも関わらず髙橋は、髙橋は台詞の間合いや癖のある喋り方、そして目線の配り方などで“若林らしさ”を体現した。とくに、最初のナレーションなんかは、「本人があとから音入れをしたのか?」と勘違いしたほど。何度も何度も若林の声を聞き、喋り方を研究し尽くしたのだろう。