『舞いあがれ!』玉本と刈谷の懐かしい“ぶつかり合い” 舞のパイロット気質も目を覚ます

 日本最古の飛行機設計図「阿鼻機流大鳥秘術(あびきるおおとりひじゅつ)」を考案し、“江戸のダ・ヴィンチ”と呼ばれた国友一貫斎。舞(福原遥)が幼い頃、父・浩太(高橋克典)が目を輝かせながら、「江戸時代の発明家やねんけど、その頃もう飛行機のこと考えてたんやで」とその人について教えてくれた。

 そして時は流れ、大人になった舞の前に“平成の国友一貫斎”とも言える存在が現れる。舞が大学時代に所属していた人力飛行機サークル「なにわバードマン」の先輩・刈谷(高杉真宙)だ。久しぶりに再会した刈谷は、サークルの同期である玉本(細川岳)とドローンを開発する会社「ABIKILU(アビキル)」を起業していた。

 『舞いあがれ!』(NHK総合)第117話では、ある夢を追う2人のやりとりが舞に青春の日々を思い起こさせる。

 舞が見つけた新たな作業場への引っ越しが無事完了した刈谷と玉本。後日、作業場を訪れた舞はそこで2人が現在開発に取り組んでいるものと対面する。それはまるで、見たこともないほど大きなドローン。しかし、ただのドローンではない。人を乗せて空を飛ぶクルマだ。なんと、彼らはわずか1年後に空飛ぶクルマの有人飛行を実現させようとしているらしい。

「誰もが気軽に、自由に空を行き来できる未来を俺たちが作る」

 空飛ぶクルマの試作機に、在りし日の人力飛行機スワン号の姿を重ねる舞。みんなの思いを燃料に、スワン号に乗って空へと飛び立ったあの日のことを舞は大事な思い出として心に閉まっていた。だが、それを思い出にすることなく、空に憧れ続けていた人たちがいる。その事実は舞の心を大きく震わせた。

 「いつかは飛行機の部品を作りたい」と最期まで子どもたちに夢を語り続けた浩太、自分たちが持つ技術を新たな何かに活かせないか、その道を探り続ける町工場の人たち、看護師としての経験を踏んだ後にフライトナースになりたいと長崎へと旅立った久留美(山下美月)、歳を重ねてできないことが増えていくことに嘆いていたのに、今や少女のような瞳で様々な本を手に取る祥子(高畑淳子)。

 ……いくつになっても人はワクワクする心を持ち続けられる。彼らを見ていると、そう強く思わされる。だが、同時に好きなことを仕事にしようと思ったら、そこには楽しさだけじゃなく苦しみも伴うことがこのドラマでは描かれてきた。

 実のところ、刈谷たちも空飛ぶクルマの開発にあたり一つ問題を抱えている。時間とお金だ。今月中に100キロ以上もある期待を安定浮上させ、投資を呼び込む必要があったが、開発が大幅に遅れていた。いよいよ切羽詰まってきたところで刈谷と玉本が口論になったところを舞は目撃する。設計に関して一切妥協できない刈谷に玉本は業を煮やしているようだった。

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