『どうする家康』“椿”な田鶴をやり抜いた関水渚の名演 阿部寛の圧倒的威圧感も
田鶴の切ない最期が心に残る第11回だが、阿部寛演じる武田信玄もまた、圧倒的な存在感で強烈な印象を残した。
家康と本多忠勝(山田裕貴)、榊原小平太(杉野遥亮)の前に現れた信玄は気さくな口調で彼らに話しかける。だが、言葉にし難い迫力に3人は戸惑う。信玄は、家康と忠勝、小平太の会話の内容をしっかりと把握していた。もちろん、自身が直前まで彼らに「甲斐の猫」と小馬鹿にされていたことも。恐れ慄く3人を意にも介さず、信玄は「駿河からは我らが、遠江からはそなたが互いに切り取り次第でいかがか」と密約を交わした。
SNSでは初登場時から話題にあがっていたが、阿部演じる信玄は只者ではない様相を呈している。信玄は家康らに対して親しげに振る舞ったり、笑い声をあげたりしながらも、言質を取る際には射るような眼差しで格の違いを見せつける。
駿河侵攻を開始した信玄の背中は勇ましく、堂々たるものだ。手中に落ちた駿河をじっと見る信玄の鋭い眼光には、たった7日で駿河を制圧したという説得力があった。
■放送情報
『どうする家康』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00~放送
主演:松本潤
脚本:古沢良太
制作統括:磯智明
演出統括:加藤拓
音楽:稲本響
写真提供=NHK