髙石あかり、『ベイビーわるきゅーれ』『わたしの幸せな結婚』など話題作を経て目指す場所
Snow Manの目黒蓮が映画単独初主演を務めた『わたしの幸せな結婚』は、大正ロマンを彷彿とさせる架空の時代を舞台に、心を閉ざした冷酷な軍隊長・久堂清霞と、家族に虐げられて育った斎森美世の政略結婚から始まる異色のラブストーリーだ。そんな本作で、今田美桜演じる美世の異母妹・香耶を演じたのは、映画『ベイビーわるきゅーれ』で知られる髙石あかり。4月13日より放送がスタートする『日本統一 関東編』(日本テレビ系)へのレギュラー出演や、4月6日より放送がスタートする『墜落JKと廃人教師』(MBS)での地上波ドラマ初ヒロインなど出演作が続く髙石に、姉を虐げる香耶という難役に挑んだ感想や、ブレイクへの心境について語ってもらった。【インタビューの最後には、コメント動画&サイン入りチェキプレゼント企画あり】
“悪役”の価値観が変わった『わたしの幸せな結婚』斎森香耶役
ーー『わたしの幸せな結婚』は髙石さんのキャリアの中で最も公開規模が大きい作品になりますよね。
髙石あかり(以下、髙石):そうなんです。なので、お話をいただいたときはすごく嬉しかったです。イベントなどで、目黒蓮さんや今田美桜さんをはじめとする豪華な共演者の方々や塚原あゆ子監督と一緒に舞台に立つ度に、その凄さを実感していて、自分にとってすごく不思議な感覚です。いろんなことを吸収しつつも、周りの方々に負けないように、自分らしさを出していきたいと思って現場に入りました。
ーー今田美桜さん演じる斎森美世の異母妹で、美世を使用人同然として扱う香耶はなかなか強烈なキャラクターでした。
髙石:これは嫌われる役だなぁと思いました(笑)。ただ、原作を読んでも、台本を読んでも、私は香耶がただの悪い子には見えなくて。香耶もいろいろ見てきた中で、幼なじみであり婚約者である幸次さんが実際は美世に惹かれていて、それに対する嫉妬心だったり、彼女なりに抱えているものがあるんですよね。実際、撮影初日に香耶を演じてみて、すごく孤独感を感じました。そんな香耶の立場になると、お芝居をしていて泣きそうになったり、すごい悲しい気持ちになったりしました。
ーー香耶はすごく強そうに見えますが、実際は意外と弱い部分がありますよね。
髙石:お芝居をしていても、それはすごく感じました。強がっていることで、逆に儚さを感じるというか。人間誰しも弱い部分は持っているけれど、違うのはそれを表に出すかどうか。私も弱さを表にできるタイプではないので、そういう部分では自分自身とも似ているなと思いました。
ーー言ってしまえば“悪役”ですけど、背景にはもっと複雑なものがあると。
髙石:私自身、映画やドラマを観ていても、悪役というものがあまり好きではなかったんです。「この人、なんで悪いことするんだろう」とか思ってしまうタイプだったので(笑)。でも今回香耶を演じてみて、「ちょっと見方が違ったな」と考え方を改めさせられました。
ーー美世役の今田美桜さんとは辛いシーンが多かったですが、実際現場ではどのようなコミュニケーションを取られていたんですか?
髙石:役での間柄もあって、撮影中はあまりお話しすることができなかったんですけど、私の最後の撮影日に今田さんが見に来てくださったんです。「あかりちゃんお疲れさま」ってハグしてくれて、それで私もすごい泣いてしまって。それがすごく記憶に残っています。
ーー終盤、山口紗弥加さん演じる美世の継母・香乃子と髙石さん演じる香耶が、今田さん演じる美世に迫るシーンがありました。あのシーンは気持ちの面でもかなりハードルが高かったのではないでしょうか。
髙石:あのシーンはものすごく難しかったです。人を虐げるようなことは自分自身もちろん経験したことがなかったので、物理的にぶつかったらいいのか、遠目から笑っている方が怖いのか、何をどうすれば虐げることになるのかわからなくなってしまって。いろいろ考えつつも、塚原監督にお聞きして、「美世に対して与える恐怖心はもちろんだけど、スクリーンを通して観客の皆さんにもその怖さを届けるように」と言っていただいて。ただ、それがすごく難しかったんですよね。なので何度も何度も監督に聞いて、最終的には“動かない”という選択をしました。目だけ動かして不気味さを届けられたらと思って演じたので、皆さんにも届いたら嬉しいです。
ーー髙石さんに香耶のイメージがついてしまいそうなぐらいインパクトのある役でした。そういった役のイメージがご自身につくのはどうですか?
髙石:それは嬉しいです! 自分自身、まだ不安な要素があるというか、ちゃんと香耶の怖さみたいなものを皆さんにお届けできるのかがすごく不安なので、もしそう思ってもらえたら、それは自分にとって褒め言葉のようなものです。香耶は、美世と清霞にとって、トラウマレベルの高い壁のような存在でなければいけなかったので。だからこそ、映画の公開は楽しみでもありつつ、すごくドキドキする部分もあります。