『舞いあがれ!』佳晴の不器用なプロポーズが実る 自分らしい姿で津田と幸せの道を歩む

 なにもうまくいかなかった時、それでも「ドーベルマン」と言ってくれたのは津田だけだったこと、彼女の存在で明日もまた頑張ろうと思えたこと。今まで言い出せなかった感謝の言葉と「好きや」というストレートな思い、誕生日に用意した指輪を津田へと渡す。どこか俯いた表情の津田。これまで多くは語らずにきたキャラクターだが、その人物設定について演じるたくませいこは、「自分自身は器用で生きてきたわけじゃないけど、周りには幸せになってもらいたいと願うような、人が好きな店主」と答えている。(※)その演技の意図には、自分が幸せになっていいのだろうかという思いも乗っていたのかもしれない。

 津田にとっての佳晴は、気兼ねなくラグビーの話ができる存在。娘である久留美がノーサイドでアルバイトしていたことを考えれば、少なくとも常連の域を超えた関係性であることは確かである。「ずっと一緒におりたい。結婚してください」のプロポーズに、津田は「はい」とOKを出す。それは幸せになる道を選んだ瞬間。そこに続いたのは、「無理にドーベルマンにならんかてええねん。今のあんたがおもろい」という言葉だった。

 不器用でも自分らしい姿を見せてくれれば――その思いは、いつか久留美が言っていた「これからもお父ちゃんはお父ちゃんなりに頑張ってくれたらそれでええ。それが私が一番望んでいることやで」と通じている。そもそも久留美が長崎でフライトナースとして挑戦したいということが今回のプロポーズを後押しする大きな動機となっており、久留美が佳晴の元を離れても同じ思いを持っている津田が隣にいれば安心だ。

参照

※. 『NHKドラマ・ガイド 連続テレビ小説 舞いあがれ!Part1』

■放送情報
NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』
2022年10月3日(月)から 2023年4月1日(土)まで
総合:8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:福原遥、横山裕、高橋克典、永作博美、赤楚衛二、山下美月、目黒蓮、長濱ねる、高杉真宙、山口智充、くわばたりえ、又吉直樹、吉谷彩子、鈴木浩介、高畑淳子ほか
作:桑原亮子、嶋田うれ葉、佃良太
音楽:富貴晴美
主題歌:back number 「アイラブユー」
制作統括:熊野律時、管原浩
プロデューサー:上杉忠嗣
演出:田中正、野田雄介、小谷高義、松木健祐ほか
主なロケ予定地:東大阪市、長崎県五島市、新上五島町ほか
写真提供=NHK

関連記事