伊藤沙莉、神木隆之介、福原遥 子役からの“努力”で勝ち取った朝ドラ主人公の座

 そして今回、『虎に翼』でヒロインを演じることが発表された伊藤沙莉もまた、子役時代から活躍していた。しかし福原や神木と少々異なるのは、伊藤のブレイクが大人になってからというところ。いわば子役時代は、伊藤にとってのかなり長い下積み時代だったとも言える。とはいえ『みんな昔は子供だった』(関西テレビ・フジテレビ系)、『女王の教室』(日本テレビ系)、『スクラップ・ティーチャー〜教師再生〜』(日本テレビ系)、『大切なことはすべて君が教えてくれた』(フジテレビ系)など、当時の学園ものには必ずと言っていいほど登場する常連であった。伊藤は小柄なかわいらしい見た目とギャップのあるハスキーボイスで当時から強い存在感を残していた。自身の成長と共に徐々にOL役もこなすようになり、『獣になれない私たち』(日本テレビ系)、『これは経費で落ちません!』(NHK総合)でのフレッシュな演技は今なお記憶に新しい。そして『いいね!光源氏くん』シリーズ(NHK総合)では伊藤だからこそ成立する“等身大のOL”感が、現世にタイムスリップしてきた光源氏(千葉雄大)とのシュールな同居生活に不思議なフィット感をもたらした。飾らないナチュラルな姿が一番似合う女優でありながら時に見たことのないような物憂げな表情で視聴者をハッとさせるなど、新たな芝居の引き出しで私たちをいつもワクワクさせてくれる。こうした芝居が評価され、2018年以降の賞レースでも数多の賞を獲得。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍の幅を広げている最中だ。

伊藤沙莉「明るいばかりではないことが人生は起きる」 朝ドラヒロインとしての決意を語る

NHK連続テレビ小説『虎に翼』の制作発表会見が2月22日にNHK放送センターにて開かれ、主演の伊藤沙莉、脚本の吉田恵里香、制作統…

 子役時代のキャリアを武器に、未来を切り開く俳優も増えつつある今、福原、神木、伊藤らが歩む道を芦田愛菜や加藤清史郎などの次世代が追随することになりそうだ。現在放送中の『舞いあがれ!』はもちろん、『らんまん』、『虎と翼』と続く朝ドラにも注目していきたい。

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