繰り返しになりますが、今までのアントマン＆ワスプの映画の世界観とはかなり異なる作品ですが、ちゃんとアントマンとワスプの物語になっています。今回、この異世界を旅するのは初代アントマン＝ピム博士（マイケル・ダグラス）、初代ワスプ＝ジャネット、その娘で現ワスプのホープ（キャスリン・ニュートン）、そして2代目アントマン（我らのアントマン）であるスコット、そしてその娘のキャシー（彼女のヒーローっぷりも素敵）です。つまり3世代5人のヒーロー家族です。全ユニバースの危機に家族5人が立ち向かうというスケールの大きなファミリードラマなわけですが、この5人の会話のやりとりが面白い。

　一方、この5人は数奇な運命にもてあそばれ、“家族の時間”を奪われた家族でもある。そこに時間を操るカーンが立ちふさがる、というのも興味深い展開です。

　個人的には、僕がマーベルの中でとても好きなヴィラン、モードックもついにMCUデビューです。コミックの設定と大きく変えているので、原作のファンにとってはここが賛否わかれるかもしれませんが、僕は“賛”。ついにスクリーンで動くモードックを観ることができました。

　タイトルの『アントマン＆ワスプ：クアントマニア』の“マニア”という部分に『ドクター・ストレンジ／マルチバース・オブ・マッドネス』の“マッドネス”に通じるニュアンスを感じますが、とにかくぶっとんだ量子世界の旅行は楽しい。小さな量子世界をIMAXの大画面でまた楽しみたいです。

■公開情報
『アントマン＆ワスプ：クアントマニア』
公開中
監督：ペイトン・リード
製作：ケヴィン・ファイギ
出演：ポール・ラッド、エヴァンジェリン・リリー、マイケル・ダグラス、ミシェル・ファイファー、ジョナサン・メジャース、キャスリン・ニュートン、ビル・マーレイ
配給：ウォルト・ディズニー・ジャパン
©Marvel Studios 2023