『夕暮れに、手をつなぐ』製作陣が語る北川悦吏子脚本の普遍性 広瀬すず×永瀬廉の空気感
広瀬すずが話すことで期待を飛び越えてくるセリフ
――北川さんが第9話を「7回直した」と赤裸々にツイートしていましたが、脚本家ご本人の作家性を残しつつもブラッシュアップしていく作業はどのように進めているのでしょうか?
一同:(笑)※ツイートすることに対して
関川:方向性も含めて、ドラマの中でそれぞれのキャラクターをどう描いていくかは、我々も北川さんもずっと悩みながら、一番良い形を諦めたくないという思いで、みんなで協議しています。
橋本:一旦準備稿(決定稿に至る前の台本)という形にしたとしても、話が進んでいくとちょっと直したいとか、いろいろなことがあって、その都度ご相談していますね。
関川:実は第1話とかの方がもっと直していると思います(笑)。
――北川脚本ならではになった、印象深いシーンがあれば教えてください。
関川:たくさんありますね。例えば第4話だと、北川さんと話し合って出来上がった“キスからのお茶の間の一連”が印象深いです。
橋本:翌日に、夢として語られる最後の“ナメクジキス”を北川さんが発明してくださって、これはものすごい発明だなと思いました。撮影も見ていたんですけど、広瀬さんのこれからキスしにいくという表情と、した後の表情が本当に素晴らしくて。音に起きてほしくないけど「起きないの?」みたいな感じとか「泥棒しちゃうよ」とか、空豆の繊細な気持ちをすごく表情で表していて。それが本当に素晴らしかったなと、撮影現場で見ていて思いました。
――北川さんが書くセリフも、ひとつひとつ印象に残るものが多いですよね。
関川:第1話で、ホテルから帰ろうとする音に対して、空豆がベランダから声をかけて「あんた、明日、来んかもしれん。ここに、もう、来よらんかもしれん」と2回言うシーンがあって。あえて方言を変えて、空豆から初対面の音に対する感謝とともに。音の中では、来ないかもよっていう気持ちが何割かあったことを見抜かれたというモノローグがあるんですけど、その辺の細やかな2人のやりとりは素晴らしいなと思いました。
関川:おんぶのところも好きでしたね。「人ん背中は、あったかかねえ」という一連のくだりも。最終的に「フカヒレはうまか〜」って、「ここに来るんだ!」と思って(笑)。そこまで含めてすごい好きでした。それと、このセリフいいなと思うけど、それを飛び越えてくる広瀬さんがいいんですよね。台本で読んでいた以上に、広瀬さんから話すことで「このセリフめっちゃいいじゃん!」ってなります。
橋本:広瀬さんが言って、初めていいなと思うセリフもいっぱいありますよね。
久松:僕は音くんのナレーションが好きです。ベランダとかホテルのやりとりを含めてですけど、刺さりますね。
――最後に今後の見どころをお願いします。
関川:第5話以降は2人の夢がようやく始まってくる形になります。今はお互いに惹かれていると思うんですけど、それとは別軸で、夢に出会った空豆とメジャーデビューが決まった音がどうなっていくのか、それぞれの道を歩き始める2人の夢と恋はどういうふうに変わってくるのか、楽しみに観ていただきたいです。
橋本:空豆と音がそれぞれ夢の階段を上っていくのですが、当然、後半では一緒に過ごす時間が減っていきます。それによって、すごく切なく感じる部分も出てくると思います。2人でわちゃわちゃしているシーンがすごく素敵なので、それがなくなってきたときに、2人がどんな形でお互いを思うのか、注目してほしいです。最終回にすごく大きな出来事が待っていて、そこは『夕暮れに、手をつなぐ』ならではの完結になると思うので、ぜひ楽しみにしていただきたいです。
■放送情報
火曜ドラマ『夕暮れに、手をつなぐ』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
出演:広瀬すず、永瀬廉(King & Prince)、川上洋平([Alexandros])、松本若菜、田辺桃子、黒羽麻璃央、伊原六花、内田理央、櫻井海音、茅島成美、酒向芳、遠藤憲一、夏木マリ
脚本:北川悦吏子
演出:金井紘、山内大典(共同テレビジョン)、淵上正人(共同テレビジョン)
プロデューサー:植田博樹、関川友理、橋本芙美(共同テレビ)、久松大地(共同テレビ)
編成:三浦萌
制作協力:共同テレビジョン
製作著作:TBS
©︎TBS
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