『警視庁アウトサイダー』長濱ねる×野波麻帆の掛け合いがクセになる 優香の過去に何が?

 架川英児(西島秀俊)、蓮見光輔(濱田岳)に水木直央(上白石萌歌)の異色刑事トリオの掛け合いがクセになる『警視庁アウトサイダー』(テレビ朝日系)。この3人以外によく見られる組み合わせが、警務課の事務職員・倉間彩子(野波麻帆)と巡査長・米光麻紀(長濱ねる)、そして直央の3人だ。

 特に倉間と米光は常に2人で一緒におり、桜町中央署の噂にやけに精通している。いかにも噂好きな2人ではあるが、お節介とも面倒見が良いとも言える姉御肌の倉間は、不本意な配属に不服そうな直央にとって良き話し相手にもなっているし、米光との阿吽の呼吸も見事で楽しい。そんな2人にとって、警視庁で暴力団対策を担ういわゆる“マル暴”から刑事課に左遷されてきた架川は、恰好の噂話の餌食として早々に目をつけられるが、サングラスを外した架川を見るなり、「特に既婚者かどうか調べろ」と言う倉間が何だか憎めない。

 倉間役を演じる野波は『婚姻届に判を捺しただけですが』(TBS系)では主人公が働くデザイン会社の社長・森田聡(田辺誠一)の妻・瑞希役を演じており、サバサバとした頼もしい女性役を好演した。『夫婦円満レシピ〜交換しない?一晩だけ〜』(テレビ東京系)では主人公の年上のママ友役を好演し、ここでも思わず悩みを打ち明けたくなるような姉御キャラが炸裂していた。周囲と壁を作らずあっけらかんとしており大胆で、それでいて面倒見の良い憎めない役どころだった。

 米光役の長濱は欅坂46/けやき坂46でアイドルとして活動したあと、卒業後は俳優としても活躍中だ。朝ドラ『舞いあがれ!』(NHK総合)では幼少期に一時期、五島で過ごすことになったヒロインを温かく迎え入れる島の住人・山中さくら役を好演し、引っ込み思案なヒロインをさくらの大らかさが優しく包む姿が印象的だった。『君と世界が終わる日に 特別編』(日本テレビ×Hulu)では献身的な看護師・伊東亜希役を務め、物語後半ではキーパーソンを担った。安藤サクラ主演の『旅屋おかえり』(NHK BSプレミアム)の長野編にも出演しており、間もなくその放送も控えている。長濱がどんな空気感を纏って作品内に存在しているのか楽しみだ。

 さて、倉間と米光が知りたがっている架川の過去と関わりがありそうなのが、鑑識係の仁科素子(優香)だ。彼に何かしらの弱みを握られているのか、いつもグレーな仕事を依頼されては、反抗虚しく結局完璧な仕事ぶりで依頼に応えている。『ムチャブリ! わたしが社長になるなんて』(日本テレビ系)での経営コンサルタント・桧山凛々子役でも落ち着いたキャリアウーマン像を見せてくれたが、本作の仁科役での職人気質で一匹狼なキャラクターも新鮮だ。架川の前で悪態をつくも結局言いくるめられる、そのお決まりの掛け合いや展開も本作の見どころだろう。仁科と架川の過去にどんな接点があったのかも気になるところだ。

■放送情報
『警視庁アウトサイダー』
テレビ朝日系にて、毎週木曜21:00~21:54放送
出演:西島秀俊、濱田岳、上白石萌歌、斎藤工、片岡愛之助ほか
原作:加藤実秋
脚本:髙橋泉
音楽:末廣健一郎
演出:木村ひさしほか
ゼネラルプロデューサー:服部宣之
プロデューサー:藤崎絵三、長谷川晴彦、山形亮介
制作協力:KADOKAWA
制作:テレビ朝日
©︎テレビ朝日

■配信情報
『警視庁インサイダー~警務課・米光麻紀のランチ捜査~』
TELASAにて、毎週本編ドラマ放送終了後、最新話配信スタート(全5話)
出演:長濱ねる、加藤英美里ほか
脚本:長谷川徹
監督:佐々木豪(共同テレビジョン)
原作:加藤実秋『警視庁アウトサイダー』シリーズ(角川文庫)
ゼネラルプロデューサー:服部宣之(テレビ朝日)
プロデューサー:藤崎絵三(テレビ朝日)、山形亮介(KADOKAWA)、皆藤一(共同テレビジョン)、歌谷康祐(共同テレビジョン)
制作協力:KADOKAWA
制作:テレビ朝日
©︎テレビ朝日

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