『リバーサルオーケストラ』“売れない“オケのリアルな現状 田中圭の微笑みの真の意図とは

 ドラマ『リバーサルオーケストラ』(日本テレビ系)の主人公・初音(門脇麦)がオーケストラ・児玉交響楽団をコンサートマスターとして立て直す物語が、第2話よりいよいよ本格スタートした。

 玉響がポンコツオーケストラとして揶揄される理由は、演奏だけでなく一人ひとりのプロ意識の欠如にある。その最たる例として第1話から悪目立ちしてしまっているのが、フルート主席の蒼(坂東龍汰)。遅刻常習魔の彼に対して、マエストロの朝陽(田中圭)は次に遅刻した場合の玉響からの解雇を予告する。

 ここから視聴者が予測するのは、これからオケの一人ひとりが1話ごとにフィーチャーされていくという展開だろう。改めてだが、オーケストラとは、指揮者と多くの楽器とが一体になって演奏することであり、ヴァイオリンなどの弦楽器、フルートやオーボエなどの木管楽器、トランペットなどの金管楽器、打楽器など、たくさんの楽器で編成されている。つまりは一人でも欠けてしまうとオケは成り立たず、各々のキャラクターをピックアップしていくのは必然とも言える展開である。

 この『リバーサルオーケストラ』はクラシックが身近に感じられるような物語作りを意識しているのは明らかだが、同時に今回の第2話では蒼を通じて、“売れない“オケのリアルな現状を映し出していたことに驚いた。玉響はプロの楽団とは言え、給料は手取り15万、一流オケの半分であり、奨学金の返済、防音マンションの家賃、楽器のローンなどを入れると、蒼はいくつもアルバイトを掛け持ちするしかなかった。それが遅刻の理由である。クラシックの輝かしい部分だけでなく、泥臭い、言わば“影”の部分を早い段階から見せていることになる。

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