『アバター:WoW』快進撃止まらず 『タイタニック』『スパイダーマン:NWH』超え?

 『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の快進撃が止まらない。1月13日~15日の北米興行週末ランキングでは、公開5週目にして首位の座を譲らず、3日間で3111万ドル、祝日の月曜日(キング牧師記念日)を含む4日間では3850万ドルを稼ぎ出した。

 月曜日の時点で北米興行収入は5億7000万ドルを、世界興収は19億ドルを超える見込み。北米では超実写版『ライオン・キング』(2019年)を抜いて歴代13位となったほか、世界興収でも『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021年)の19億1630万ドルを抜いてまもなく歴代第6位となる。

『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』©︎2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 業界では『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の北米興収が、同じくジェームズ・キャメロン監督の代表作『タイタニック』(1997年)の6億5936万ドルを抜くとの予想。それもそのはず、2023年初めての大作映画は『アントマン&ワスプ:クアントマニア』で2月17日公開なのだ。北米では2月3日公開のM・ナイト・シャマラン監督作『ノック 終末の訪問者』が首位を奪い取る可能性はあるものの、本作の強力なライバルになることはないとみられている。

『M3GAN/ミーガン』©2022 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.

 第2位『M3GAN/ミーガン』、第3位『長ぐつをはいたネコと9つの命』は揃ってユニバーサル・ピクチャーズが配給。前者はSNSでのバズがヒットに繋がったホラー映画ということもあろう、前週比-41.1%というやや大きめの下落となった。しかし製作費1200万ドルに対し、月曜時点で北米興収5900万ドルの成績は超優秀。後者も前週比-1%という驚愕の粘り強さを見せつけ、月曜時点で北米興収1億1000万ドルとなる見込みだ。

 第4位『A Man Called Otto(原題)』は、邦題『オットーという男』として日本でも3月10日に劇場公開が決定。北米では週末から3802館という超拡大公開となり、興収成績も月曜日には2100万ドルを超えるとの予測だ。

 Rotten Tomatoesでは観客スコア97%、出口調査に基づくCinemaScoreでは「A」評価と、観客から非常に高い支持を得ている本作は、同じく大人向けのドラマ映画であった『バビロン』や『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』の苦戦が信じられないほどの好調ぶり。作品のクオリティによる口コミ効果はもちろん、拡大公開をホリデーシーズン明けまで引っ張った戦略の勝利かもしれない。

 「大人向け映画」繋がりで言えば、第8位『ザ・ホエール』もここにきて上映館を665館追加する挑戦に打って出た。賞レースでの健闘に期待をかけ、北米1500館規模の拡大公開だ。公開6週目で北米興収は1000万ドルを超え、月曜日には1100万ドルに乗る見込み。1月15日(現地時間)に発表された米放送映画批評家協会賞では、ブレンダン・フレイザーが主演男優賞を見事受賞。映画賞の結果次第では、さらなる大ヒットも十分考えられる。

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