高橋一生にしかできない「“自分を乗り越える事”さ」 『岸辺露伴』第3期を繋いだ“3”の縦軸

 露伴と京香がバキンの散歩に出かけるほのぼのとしたラストシーンでは、ファンを熱狂させるワードが立て続けにインサートされた。「幽霊屋敷探検」(『デッドマンズQ』)を皮切りにして、「ツタンカーメンの呪い」はエジプトを舞台にした『ジョジョ』第3部「スターダストクルセイダース」、「ロンドン搭の幽霊」「吸血鬼教会」は第1部「ファントムブラッド」、「イタリア」は第5部「黄金の風」。これらはスタッフ陣の遊び心とも捉えられるが、「次」に繋がるキーワードとしてTwitterでもトレンド上位にランクインしていたのが、京香が「ネタは世界中に転がっている」という前向きなセリフとともにつぶやいたパリの「ルーヴル美術館」だ。

 イメージするのは『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』。2009年に発表された、123ページによる荒木初のフルカラー作品だ。振り返れば、「ホットサマー・マーサ」にはリアルな取材ができずにイラ立つ露伴に京香が「緊急事態宣言が明けたら、海外でもどこへでも取材に行きましょう」というセリフもあった。まさに来年、4期へと繋がるさらなる縦軸。「無理無理無理無理絶対無理!」と結果が出た「辻占」が外れることを祈りつつ、露伴の好奇心、運命が再び「動きだす」のを待っている。

■配信情報
『岸辺露伴は動かない』第7話、第8話
NHKオンデマンド、NHK+にて配信中
出演:高橋一生、飯豊まりえ、古川琴音(第7話ゲスト)、柊木陽太(第8話ゲスト)
原作:荒木飛呂彦『岸辺露伴は動かない』
脚本:小林靖子
音楽:菊地成孔
人物デザイン監修:柘植伊佐夫
演出:渡辺一貴
制作統括:斎藤直子、土橋圭介、ハン サングン
制 作:NHK エンタープライズ
制作・著作:NHK、ピクス
写真提供=NHK

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