豊嶋花、全世代をトリコにする15歳の演技 「考えさせられるドラマ」との親和性

 NHK連続テレビ小説『梅ちゃん先生』(2012年)、『あまちゃん』(2013年)、 『ごちそうさん』(2013年)、NHK大河ドラマ 『八重の桜』 (2013年)、『どうする家康』(2023年1月8日より放送)、民放ドラマ『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(2014年/フジテレビ系)、『BG~身辺警護人~』(2018年/テレビ朝日系)、映画『真夏の方程式』(2013年)、『生理ちゃん』 (2019年)。

 これは、ある俳優が出演した作品のほんの一部である。とぎれることなく国民的ドラマ、大ヒットドラマ、映画の話題作に出演しているが、その人物は大御所と呼ばれる年齢でもなければ、脂の乗った世代でも、新進気鋭の20代俳優……というわけでもない。若干15歳の俳優・豊嶋花の出演作である。

 子役時代もカウントしているし、年齢的に学園ものが多いことなどを加味しても、とんでもない数の作品に携わっている豊嶋。演技に対して“年齢”をトピックにするのもおかしな話だが、でもやっぱり、同年代から大人まで、多くの人の心を揺さぶる彼女の姿を見ていると尊敬もするし、もっともっと追いかけたくなる。

『大豆田とわ子と三人の元夫』は何の話だったのか? 最終話は不思議な構成に

昨夜6月15日、最終回を迎えた『大豆田とわ子と三人の元夫』(カンテレ・フジテレビ系、以下『まめ夫』)は、住宅建設会社しろくまハウ…

 注目すべき豊嶋の出演作は多々あるが、まずは 『大豆田とわ子と三人の元夫』(2021年/カンテレ・フジテレビ系)に触れておきたい。彼女が演じたのは、3回結婚して3回離婚した“バツ3”であり、住宅建設会社・しろくまハウジングの社長でもある大豆田とわ子(松たか子)の娘・唄だ。とわ子と最初の夫・田中八作(松田龍平)との子で、生まれたときからずっと反抗期である。

 彼女はどこか達観したところがあったし、時折、視聴者にもグサグサ刺さる台詞を投げかけることもあったので、唄の言葉に救われた人も多かったのではないかと思う。本作では、日常生活に唄がいるような、そんな豊嶋の“やりすぎない”演技が光った。

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