ポール・ヴァーホーヴェン『ベネデッタ』30秒予告&場面写真 みうらじゅんのイラストも

 ポール・ヴァーホーヴェン監督最新作『ベネデッタ』の予告編と場面写真が公開された。

 本作は、実在した修道女ベネデッタの数奇な運命と彼女に翻弄される人々を描いたセクシュアルサスペンス。17世紀に実在した女性ベネデッタ・カルリーニは、レズビアン主義で告発された修道女。幼い頃から聖母マリアやキリストのビジョンを見続け、聖痕が浮かび上がりイエスの花嫁になったと報告して信者の注目を集め、民衆の支持を得て修道院長に就任した女性である。ヴァーホーヴェン監督は、この歴史上初のレズビアン裁判記録『ルネサンス修道女物語―聖と性のミクロストリア』(J・C・ブラウン著・1988年)を読み、ベネデッタの人物像に魅せられ、本作を映像化した。

『ベネデッタ』30秒予告映像

 公開された予告編には、修道服を着たベネデッタ(ヴィルジニー・エフィラ)がキリストに祈りを捧げる場面や、教会内や街での市民の暴動など衝撃的なシーンが収められている。

 また、本作を鑑賞した著名人からコメントやイラストが到着。みうらじゅんからは監督との対話風漫画、辛酸なめ子からはキリストを「スパダリ(スーパーダーリンの略)」と称した独自目線のストーリー解説漫画が届いた。

コメント

みうらじゅん(イラストレーター)

ポール・ヴァーホーベン監督作だもの。おもしろくないはずないじゃない!

辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)

ベネデッタしか勝たん、みたいな不思議な感動に包まれました。信じていれば現実になることを教えてもらったようです。

小島秀夫(ゲームクリエイター)

如何なる賞賛も、批判も、星の数も、彼にはもはや意味がない。物創りがとんでもなく窮屈になった今、自らの嗜好と表現を貫いた本作は、最高で最悪の、紛れもない“ヴァーホーベン映画”だ。火炙りにされるのは創り手なのか、観客なのか。覚悟して、愛でよ。

酒井順子(エッセイスト)

聖と俗、そして聖と性とを巧みに操るベネデッタ。その力は神がもたらしたのか、それとも人為の結果なのか。我々は最後まで考え続け、正体を探るのです。

岩井志麻子(作家)

キリスト教徒ではない私まで、救われてしまった物語。ただし清らかな神様よりも、とことん卑俗な人間の方に。

■公開情報
『ベネデッタ』
2023年2月17日(金)より、新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開
監督:ポール・ヴァーホーヴェン
脚本:デヴィッド・バーク、ポール・ヴァーホーヴェン
原案:ジュディス・C・ブラウン『ルネサンス修道女物語―聖と性のミクロストリア』
出演:ヴィルジニー・エフィラ、ダフネ・パタキア、シャーロット・ランプリング、ランベール・ウィルソン
配給:クロックワークス
2021/フランス・オランダ/131分/R18+/原題:Benedetta
©︎2020 SBS PRODUCTIONS – PATHÉ FILMS – FRANCE 2 CINÉMA – FRANCE 3 CINÉMA
公式サイト:https://klockworx-v.com/benedetta/

関連記事