『クロサギ』色恋をエサにして騙し取る平野紫耀 クライマックスへ向けたさまざまな動きが
監視カメラに映った黒崎(平野紫耀)の姿をもとに、その素性を洗い出そうとする宝条(佐々木蔵之介)。一方その頃黒崎は、宝条を食うための外堀を埋めようと画策する。前回騙した牛山(山口紗弥加)から情報を得て、宝条の裏金づくりのルートとなっている“宝条帝国”のなかから、ひまわり銀行の元行員で宝条の後輩にあたる宇佐美(津田健次郎)が理事長を務める医療法人をターゲットにすることを決めるのである。
12月9日に放送された『クロサギ』(TBS系)第8話。毎回オープニングのナレーションで出てくる“3種類の詐欺師”のひとつである“アカサギ”。色恋をエサにして金を騙し取るという手口の詐欺師で、いわゆる結婚詐欺師などがそれに当たる。前回の2006年版のドラマでは第2話で“アカサギ”にまつわるエピソードが展開し、山下智久演じる黒崎の高校時代の友人(小山慶一郎)が姉(小沢真珠)と“アカサギ”をはたらき、黒崎は迷いながらも彼らを騙すことになった。
今回の2022年版では“アカサギ”はターゲットにあらず。シロサギである宇佐美を食うためにホスト狂いの妻・怜華(高田里穂)に近付いた黒崎が、自ら“アカサギ”のテクニックを披露するのである。怜華が好むような華美なファッションで、高級車に乗り、医療関係の会社の社長をやっていると言って接触。金銭目当てで宇佐美と結婚した怜華を言葉巧みに翻弄し、宇佐美に対して仕掛ける詐欺の片棒を担がせる策略というわけで、“アカサギ”になるというよりはその手口を参考にするといったところか。
とはいえいつもは飄々と“仕事”をこなす黒崎だが、必要以上に他人と接触する必要が出てくるこのやり口はかなり苦手なようだ。怜華と会った後に疲れた顔で甘いものを食べながらケーキ屋の店員に心配されたり、付き合って酒をしこたま飲んで翌日二日酔いに苦しんでいたりと、この終盤にきて黒崎の新たな一面がのぞくのは興味深い。その酒を飲むシーンで、迫ってくる怜華を避けるようにしてバーカウンターの席を移る際の横移動のカメラもずいぶんとコミカルに映る。
おそらく黒崎が宝条に近付こうとしていることを察したのであろう、桂木(三浦友和)がわざわざ遠方のシロサギの情報を黒崎に与えるのだが、それをもらうだけもらって警察に提供し、現地に赴いたと嘘をつく黒崎。それに気付いて「そろそろ終わりかな」とこぼす桂木。“親爺”に背いた単独行動をする黒崎の周辺では、一気にクライマックスへ向けたさまざまな動きが見え始める。
宝条のデスクの上に置かれた監視カメラ映像のプリントから、黒崎が詐欺師であると勘づいた鷹宮(時任勇気)。アパートを訪ねてきた彼の挑発をうまくかわす黒崎だったが、当然宝条にその存在が知られることになる。政治家と繋がり、何やら大きな計画を練っている宝条は、黒崎を「野放しにしちゃいけない」と手を打ち、神志名(井之脇海)ら警察は宝条を独自にマークしている金融庁の日下(山田キヌヲ)と接触。これは黒崎にとって宿敵だった御木本(坂東彌十郎)の時よりも困難な戦いになりそうな気配だ。
■放送情報
金曜ドラマ『クロサギ』
TBS系にて、毎週金曜22:00〜22:54放送
出演:平野紫耀(King & Prince)、黒島結菜、井之脇海、中村ゆり、宇野祥平、時任勇気、山本耕史、佐々木蔵之介、船越英一郎(特別出演)、三浦友和
原作:黒丸、夏原武(原案)『クロサギ』シリーズ(小学館刊)
脚本:篠﨑絵里子
プロデューサー:武田梓、那須田淳
演出:田中健太、石井康晴、平野俊一
製作著作:TBS
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/kurosagi_tbs/