“Z世代”が抱える悩みを描く北欧発の青春映画 『ガール・ピクチャー』2023年4月公開
第95回アカデミー賞国際長編映画賞部門フィンランド代表に選出された映画『Tytöt tytöt tytöt(原題)』が、『ガール・ピクチャー』の邦題で2023年4月7日より新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほかにて全国順次ロードショーされることが決定した。あわせて場面写真が公開された。
子供と大人のはざま、17歳、18歳の3人の少女たちが“たった3度の金曜日“で出会う、人生を揺るがすような“運命の恋”と“性の冒険”。友情とは、恋愛とは、セックスとは、そして人生とは。本作は、そんな世界中のティーンエイジャーが抱える性、人間関係、未来への悩みを、“今”を生きるジェネレーションZの3人の少女たちを通して、リアルでまっすぐに映し出した北欧発の青春映画だ。ノーベル平和賞を受賞した社会運動家のジェーン・アダムズにちなんで名づけられたシチズン・ジェーン・プロダクションによって製作され、第38回サンダンス映画祭ワールドシネマドラマ部門観客賞を受賞、さらに、第95回アカデミー賞国際長編映画賞部門フィンランド代表にも選出された。
最初の金曜日。クールでシニカルなミンミ(アーム・ミロノフ)と、素直でキュートなロンコ(エレオノーラ・カウハネン)は同じ学校に通う親友。放課後はスムージースタンドでアルバイトしながら、恋愛やセックス、そして自分の将来についての不安や期待にまつわるおしゃべりを楽しんでいる。そんな中「男の人と一緒にいても何も感じない自分はみんなと違うのでは?」と悩み続けていたロンコは、理想の相手との出会いを求めて、果敢にパーティーへと繰り出す。一方、ロンコの付き添いでパーティーにやってきたミンミは、大事な試合を前に、プレッシャーに押しつぶされそうなフィギュアスケーターのエマ(リンネア・レイノ)と急接近する。
少女たちは自身のセクシュアリティーや恋愛指向にあえて名前を与えてはいないが、ヘテロセクシュアル(異性愛)やシスジェンダー(割り当てられた性別と性自認が一致している人)を前提とせず、むしろそれぞれに異なる恋愛指向があることを当たり前として物語は進む。同性同士で深い関係になるミンミとエマも、アセクシュアル(他者に対して性的欲求や恋愛感情を抱かないセクシュアリティー)の可能性があることに悩むロンコも、果敢に自分自身を追求し、感情やセクシュアリティーについて語ることを恐れない。
感情的な部分はあっても心優しいミンミを演じるのは、12歳から俳優業をスタートし、ウラ・へイッキラ監督作『エデン』で初主演を務めた2000年生まれのアーム・ミロノフ。静かなたくましさを持つロンコ役は、俳優、ダンサー、シンガーでもあり、舞台俳優として活躍、本作が長編映画デビューとなるエレオノーラ・カウハネン、フィギュアスケートに青春を注いできたエマ役は、ドラマや映画で活躍するリンネア・レイノが演じる。
監督を務めたのは、自分の声を見出していく女性作家を描いた映画『Love and Fury』でデビューし、強い女性たちが主導するストーリーを生み出すアッリ・ハーパサロ。日本公開にあたって、ハーパサロ監督は「『ガール・ピクチャー』は、女性としての一歩を踏み出し始めた3人の少女の、ごくわずかな時期を切り取ったものです。ティーンエイジャーの生活はとても豊かで一瞬一瞬が大切。ごく短い期間であったとしても、本人たちにとっては全宇宙をも包み込むほど大きなことなのです」とコメントを寄せた。
公開された場面写真には、さまざまな悩みを抱えながらも支え合い、心を許し合う3人の少女たちの多幸感あふれる瞬間が切り取られている。
なお、本作は劇場本公開に先駆け、11月19日より開催される「フィンランド映画祭 2022」で特別上映される。
■公開情報
『ガール・ピクチャー』
2023年4月7日(金)より新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほかにて全国順次ロードショー
監督:アッリ・ハーパサロ
脚本:イロナ・アハティ、ダニエラ・ハクリネン
出演:アーム・ミロノフ、エレオノーラ・カウハネン、リンネア・レイノ
配給:アンプラグド
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2022年/フィンランド/100分/カラー/スタンダード/5.1ch/原題:Tytöt tytot tytöt/PG12/日本語字幕:松永昌子