『silent』川口春奈の“想い”に応える目黒蓮 夏帆演じる奈々の“けじめ”も

 想いの伝え方は様々。どんな伝え方であっても真っ直ぐな想いは真っ直ぐ届く。『silent』(フジテレビ系)の第7話では、紬(川口春奈)と奈々(夏帆)、想(目黒蓮)の関係が徐々にやわらかいものへと変化していく。お互いの間に引かれた線を乗り越え、わかり合おうとする姿が描かれた。

 奈々は想から借りていた本を返すことに。これは奈々なりの、ひとつのけじめなのだろう。想とはこれからも“友達”だと手話で伝えた。一方の紬は奈々からかけられた言葉のせいか、ずっと奈々のことを気にしていた。春尾(風間俊介)から手話を教わり自分の伝えたい気持ちを全てまとめると、奈々と会うことにする。紬はまだ下手ながらも一生懸命、手話で自分の思いを伝える。そして奈々もまた、その気持ちをしっかりと受け止めるのであった。だが紬にはまだ気がかりなことが。想が話せるはずなのに声を発しようとしないことだ。紬はつい、そのことを直接本人に聞いてしまうが想は理由を話したがらない。

 気持ちを伝える紬と、聞いて受け止める奈々。どちらも真っ直ぐで凛とした女性だが、コミュニケーションの取り方は大きく違うように見える。手話の上手い下手や、伝える言葉の量だけがコミュニケーションではない。紬は慣れない手話でまだ語数も少なく、複雑な会話ができるわけではないが、気持ちを伝えようというエネルギーが強い。想と話したいと思ったらすぐに手話教室に通い、真っ先に気持ちを伝える準備をはじめた。想と再会してからも、思ったことは度々伝えてきた。自分が想の言葉や気持ちを制して話し始めることも多いように感じる。奈々と向き合おうと思えば、その思いもまとめて手話にして覚えてくる。紬は伝えることへの熱量が高い女性なのだ。

 一方の奈々は、しっかりと傾聴する。想の「話したい」という思いにいち早く気付き、話を聞くことができる。また、想に手話を教え、自分に語りかけてもらうことを願った。例え想に失恋してすぐだとしても、紬の想いをしっかりと受け止める。手話が上手で多くの言葉を矢継ぎ早に伝えるイメージがあるが、実は言葉になっていない想いまでしっかり“聴く”ことのできる女性である。だからこそ、奈々は紬の想いも真っ直ぐに受け止めて前向きに捉えることができたのだ。誰よりも伝え合うことの尊さを理解し、相手の想いを尊重するのが奈々だろう。どちらが恋人になるかは別として、紬も奈々も想を支えてくれた人たちなのだ。

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