『アトムの童』衝撃の展開に絶句 山﨑賢人と松下洸平は強大な敵にどう立ち向かう?

 「アトム買収完了!」のコピーが予告映像で躍った『アトムの童』(TBS系)第5話では、窮地を脱してたどり着いた栄光の先に想定外の事態が待ち受けていた。

 アトム玩具初のゲーム『アトムワールド』が完成。だが、どのプラットフォームからも販売を断られる。SAGAS興津(オダギリジョー)の差し金で、経産省が実績のない新規参入者を厳しく審査するよう指示したことが影響していた。困ったアトムに手を差し伸べたのは、なんと興津。SAGASが運営し、月間1億人が利用する配信サイト「プレイライフ」で『アトムワールド』を大々的に宣伝するというのだ。ただし、アトム玩具が持つ造形技術をSAGASに譲ることが条件。興津の申し出を断った那由他たちは、自社サイトで販売を始める。配信系YouTuberに動画で取り上げてくれるよう頼んだり、販促用のフィギュアを作り体験会を開くなどして手を尽くすが、ダウンロード数は伸び悩んでいた。

 ヒントは意外なところにあった。ある日、那由他と隼人(松下洸平)が出会ったゲッチャリロボを欲しがる若者。無料配布したゲッチャリロボがネット上で人気になっていたのだ。那由他は「これこそアトムらしい売れ方」と語る。那由他によると、ヒットするゲームにはキャラクターが先に人気者になるという法則がある。問い合わせが続出し、アトムでは塗装なしバージョンのフィギュアを販売することに。購入者自身が彩色し、データに取り込むことで、ゲーム内で自分だけのゲッチャリロボを操れる仕組みだ。これがきっかけとなって『アトムワールド』は海外で評判になり、逆輸入される形で日本でも人気に火が付く。『アトムワールド』はアジアのゲームアワードでユーザーのベストワンに選出され、公哉(栁俊太郎)の墓前に報告した那由他と隼人だったが……。

 死闘の果てに勝利を得るが城は崩れ落ち、闇の世界へ飛ばされる主人公たち。第1話で『アトムの童』が日曜劇場版のロールプレイングゲームであると書いたが(参考:『アトムの童』は日曜劇場版RPG? 山﨑賢人演じる那由他の瞳にともった光)、これまで積み上げた全てを吹き飛ばす展開に衝撃を受けた視聴者も多かっただろう。興津が醸し出す不気味なオーラが、ここに来て幾重にも張り巡らされた罠として姿を現した。アトムへの執拗な働きかけと妨害は見せかけで、アトムを確実に手に入れるための保険に過ぎなかった。致命的な毒は当初から仕込まれており、海(岸井ゆきの)が元上司の小山田(皆川猿時)に融資を依頼した時から始まっていた。第3話で5千万円の即時返済を求められた際、できなければ資産を差し押さえて株式を売却する意図が明かされていた。残りの1億も同様であることに気付けなかったのは痛恨のミスだが、今となってはどうすることもできない。

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