『霊媒探偵・城塚翡翠』の全5回完結は妥当? “原作未読”のライターが最終話を真剣考察

 清原果耶主演の連続ドラマ『霊媒探偵・城塚翡翠』(日本テレビ系)が、11月13日放送の第5話で最終話を迎える。

【霊媒探偵・城塚翡翠】すべての伏線、ついに回収! 前代未聞の最終話予告!清原果耶 小芝風花 及川光博 瀬戸康史【11月13日(日)よる10時30分】

 予告映像では「あなたは騙されている」「最終話」と告知されており、第5話で放送が終わる異例の早さに波紋を呼んでいる。そこで「すべてが伏線」というコピーから、“原作未読”の筆者がこれまで放送された内容をもとに最終話を考察をしてみたい。

 本作では、警察からも一目を置かれる推理作家・香月史郎(瀬戸康史)が、「霊が視える」能力を持つ霊媒師の城塚翡翠(清原果耶)と“推理力”と“霊視”を組み合わせ事件を解決していく。物語の発端は、20代前半の長い髪で清楚系の女性ばかりを狙いナイフで刺殺する「女性刺創連続殺人事件」がベースにあり、一切の証拠を残さないことから犯人は「透明な悪魔」と呼ばれている。この事件を担当するのは捜査一課の警部・鐘場(及川光博)と天子(田中道子)、本来担当ではないが自ら立候補して事件に協力する天子の先輩・蛯名(須田健太)。刑事ではない香月が事件に参加している理由は、4年前、香月の作品を模倣した事件が起き、鐘場が香月に助言を求め事件を解決しているため。それ以来、鐘場に持ち込まれた事件を一緒に解決している。

 第4話では、透明な悪魔による9人目の被害者の遺体が雑木林で発見され、遺留品に鐘場がいつも口にしているタブレット菓子が落ちていたのを天子が発見。また、鐘場が落としたパスケースから被害者と似たタイプの女性の写真を目撃し、それは鐘場の娘で10年前ぐらいに通り魔に刺されて亡くしていることから、鐘場が犯人で逆恨みでの犯行はないかと疑う。

 一方、翡翠も「私が死の運命を意識するようになったのも鐘場に初めて会ったあの事件から」と、鐘場と2人で会えれば魂の匂いを感じられるかもしれないと香月に提案。鐘場を呼び出し、翡翠はある遺体発見現場で降霊する為、言葉を聞き取る人として明日来てほしいと頼む。鐘場は承諾するも、「必ず1人で来い、そしてこのことは誰にも言うな」と条件を提示する。そして翌日、天子は鐘場を尾行するも捕まってしまう。香月と翡翠は現地に向かうが、サービスエリアで香月がソフトクリームを買っている間に翡翠が姿を消してしまった。

 鐘場が2人を監視するシーンや、照明や表情も完全に鐘場が真犯人の作りとなっており、ここまであからさまだとミスリードにしか見えない。というより最初から香月が怪しく、これまでの4話は彼をハメるための作戦に見える。毎回ドラマの終わりに差し込まれる被害者の写真や記事を貼り付けた部屋での香月の表情は、異常そのもの。初回冒頭で姉の墓の前で「人が死んだら魂はどうなるんだろう?」と言うが、何らか姉に関する復讐の線が考えられる。

 香月が犯人という視点で見ると、3カ月前の殺人現場での香月と鐘場の会話で、「また20代前半、長い黒髪の清楚美人。性癖丸出しだな。どう思う作家先生? 遠慮せず思ったことを言ってくれ」と尋ねるのは「おまえ犯人だから知ってるよな?」とカマをかけているように見える。続いて、香月は「注目すべきは犯行の手口です。ナイフを抜き、被害者が出血死するのを待つ猟奇的な手法には、何かしらの儀式的な意味があります」と推理、鐘場は「それこそ悪魔でも呼び出そうってのか? だとしたら霊能力者でも頼んだら良さそうだな」と返すが、香月「霊能力なんか存在しません。僕が信じているのは緻密な思考の上に導き出された論理的な結論だけです」と言う。だが結局、霊能力のある翡翠を訪ねて物語が始まる。しかも翡翠は透明の悪魔好みの長い髪で清楚系の容姿だ。途中から鐘場は翡翠について「あの娘」という言い方で悲観的な態度を示すが、最初に霊能力者の話に導いたのは鐘場。つまり計画的に翡翠と会う流れにもっていき、周りが翡翠の霊力を否定することで、懐疑派だった香月が擁護に回り、翡翠の霊視能力を信用していくように仕向けた。

関連記事