『カーテンコール』カン・ハヌル演じる“偽の孫”にハラハラ 古典的な演出の中に光る新しさ

 家族旅行をセヨンに提案されたムンソンは、ユニと2人で旅行に行きたいと告げる。旅行をしているふりをして、つかの間の息抜きに自宅へと戻ったジェホンは、ムンソンを常に演じている疲れから解放され、口座に振り込まれた大金に我を忘れてしまう。このシーンはジェホンがどういう人物なのかを見せてくれる。役者仲間であるジェホンとユニだが、ユニが超エリートであることを知らないジェホン。今後、ジェホン、ユニ、セヨンで恋愛関係が起こりそうな気配も。

 ホテル売却を巡る出来事を中心にしながら、ジェホンの言葉に心を動かされる様子を見せるセヨンやグムスン。強い絆を結んでいきそうな気配がして、バレないように固唾を呑んで見守りたい。ムンソンが家族に受け入れられはじめる姿を見るにつけ、“本物のムンソン”のことが、気になってしかたがない。本当なら愛情と豊かさを享受できるはずの本物の孫。本物のムンソンの現状をグムスンが知れば耐えられないだろうが、どんな手を使っても救いに走るだろう……。

 本作は、全体的にクラシックな演出でありながらも、モダンさを感じさせるどこか稀有なところがある。古さの中に新しさを融合させることで、広い年齢層に本作を届けたいのではないだろうかと感じている。韓国コンテンツが人気な今、国が抱える問題を世界に配信することで何かが良い方向に変わるきっかけとなればいい。そう願いながら、この作品がもたらしてくれる感情を楽しんでいきたい。

■配信情報
『カーテンコール』(全16話)
Amazon Prime Videoにて配信中
出演:カン・ハヌル、ハ・ジウォン、コ・ドゥシム、クォン・サンウ、ソン・ドンイル
演出:ユン・サンホ
脚本:チョ・ソンゴル
(写真はKBS公式サイトより)

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