『霊媒探偵・城塚翡翠』及川光博の“怪演”が光る “最終話”となる第5話に向け伏線回収

 意外な人物が犯人かもしれない“証拠”が見つかった『霊媒探偵・城塚翡翠』(日本テレビ系)第4話。鐘場警部(及川光博)が、意味ありげにタブレットを食べていた“伏線”が、ここに来てようやく回収されることに。

 第4話では、女性刺創連続殺人事件の9人目の被害者の遺体が、雑木林で発見された。“透明な悪魔”による犯行の被害者は、今回も20代の黒髪清楚美人。その現場で、天子(田中道子)はタブレットのかけらを見つける。もとから、「犯人は、警察関係者かもしれない」と言われていたこともあり、鐘場に疑いの目を向ける天子。さらに、蛯名(須賀健太)のアシストにより、鐘場の娘が刑事事件で亡くなっていることまで知ってしまう。彼女からすれば、「疑うしかない……」という感じだろう。あまりにも、ピースが揃いすぎている。

 さらに、及川光博の怪演も光る。メガネの奥が笑っていない薄気味の悪さ。いきなり、“悪”の顔になったシーンは、思わず身震いをしてしまうほどの恐ろしさがあった。ただ、「ミスリードか?」と思うほど、“この人犯人ですよ”感が強いため、ミステリー好きとしては、違う可能性を探ってみたい気持ちもある。だが、“透明な悪魔”による犯行の被害者は、みな鐘場の娘に容姿が似ているのだ。さらに、年代まで近い。自分の娘は死んでしまったのに、人生を謳歌している同年代の子たちへの恨みから、犯行に及んだ可能性は考えられなくもない。

 だが、鐘場犯人説を否定する立場として見ると、タブレットが殺害現場に落ちていたからこそ、白に思えてくる。警視庁捜査一課の警部でもある彼は、証拠品をわざわざ現場に落とすようなマヌケなミスは、きっとしないだろう。そもそも、こんなに長い間しっぽを出していない人物が、急にミスを犯すとは考えにくい。となると、鐘場を犯人に仕立て上げようとしている真犯人が、別にいるということだろうか。

 ただ、翡翠(清原果耶)は“透明な悪魔”の正体は、鐘場であると指摘している。「鐘場警部と初めて出会った日に、死の運命を意識するようになった」と。たしかに、翡翠が遺体遺棄現場で“降霊”をするのに付き合ってほしいとお願いをした時も、鐘場は意外とあっさり了承していた。「このことは誰にも言うな。必ずひとりで来い」という条件までつけて。さすがに疑わざるを得ないか? とも思ったが、翡翠が誘拐(?)された時間、鐘場は天子と一緒にいた。そのため、“透明な悪魔”の正体ではない気もする。

 また、今回新たに怪しい動きを始めたのが、天子の協力者でもある蛯名だ。これまでは、現場の癒しキャラ的存在だった彼が、何やら不穏を匂わせるように。一緒に鐘場を尾行していた天子からの着信を、悪い顔で無視してみたり。鐘場と同じタブレットを食べる描写まであった。なかでも気になったのは、天子がつかんだ証拠品(=タブレット)を、「これは、自分が拾ったことにして、管理官に報告しておきます」と言ったことだ。蛯名が真犯人で、証拠隠滅するために預かった……と考えると辻褄が合うが、果たして。

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