『PICU 』が示した目の前にある小さな命の尊さ 木村文乃が涙ながらに吐き出した本音
志子田も何とか赤ちゃんを母親に会わせてやりたいとヒートアップするがあまりに「わかりませんよ、母親の気持ちなんて、母親じゃないんだから。それは綿貫先生だって同じですよね?」と言い放ってしまったことを猛省し後悔していたが、ここまであからさまではなくともこのようなやりとりは日常生活に実はありふれているのではないだろうか。看護師の羽生(高梨臨)が志子田に諭していたように「人にはそれぞれ事情がある」ことを肝に銘じて、相手の選択や今ある状況について断言してしまうことには慎重になりたいと改めて思わされた。今相手が取っている立場は望んでのことなのか、別の道を望んでいたが叶わず受け入れるしかなかったものなのか、強く望むこともなく成り行きでそうなったのか、それは他人にはわからない。そしていずれかの立場を取っていたって、その裏には自力ではコントロールできない不可避な要因が多かれ少なかれ潜んでおり、100%自分の希望で、自身の望通りなんてケースこそレアなのではないだろうか。そう考えることができれば、妊娠した人、さらにそこから出産した人、子育てしている人、出産しても育てることが叶わなかった人、妊娠出産経験のない人、妊娠が難しい人、様々な立場の人同士でその違いも超えて目の前にある今まさに生きようとする小さな命を共に育み守れるのではないだろうか。
さて、網走総合病院で奮闘しているはずの親友の悠太(高杉真宙)が遂に丘珠病院に救急搬送される。人は誰しも様々な事情を抱えていることを目の当たりにした志子田は、親友の、親友だからこそ言えなかった事情に今度こそ寄り添えるのだろうか。
■放送情報
『PICU 小児集中治療室』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:吉沢亮、木村文乃、安田顕、生田絵梨花、高杉真宙、菅野莉央、甲本雅裕、中尾明慶、高梨臨、菊地凛子、正名僕蔵、松尾諭、大竹しのぶほか
脚本:倉光泰子
演出:平野眞
プロデュース:金城綾香
医療監修:浮山越史(杏林大学病院)、渡邉佳子(杏林大学病院)
主題歌:中島みゆき「俱に」(ヤマハミュージックコミュニケーションズ)
音楽:眞鍋昭大
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/PICU/
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