『舞いあがれ!』の舞台・五島列島はどんなところ? 映画のロケ地でおなじみの美しい景観
五島列島の有名な観光地の一つに「大瀬埼灯台」がある。海に突き出た断崖絶壁の上に建ち、東シナ海を望む白亜の灯台だ。福江島の最西端に位置する大瀬埼灯台は、九州本土で最も遅い時間に夕陽が沈む場所。青い海とのコントラストが美しく、「日本の灯台50選」(燈光会)に選出されている。映画『悪人』のロケ地としても知られており、中盤から登場する象徴ともいえる場所として使われている。妻夫木聡が演じる祐一のもとへ、深津絵里が演じる光代が傷だらけで向かうシーンや、風を受けながら2人が束の間の安息を感じるシーンなど、名シーンが大瀬埼灯台で数多く撮影された。
映画『くちびるに歌を』も、五島列島にある中学校が舞台。筆者は、この映画をきっかけに五島列島に興味を抱くようになった。新垣結衣が演じるちょっと訳アリのピアニスト・柏木が、代理の音楽教師として数年ぶりに故郷に戻り、合唱部の顧問になる。柏木も生徒たちも、それぞれ誰にも言えない悩みを抱えているが、歌の力によって癒されていく。全編を通して、五島の美しさが強く印象に残った。
今後は、『舞いあがれ!』のロケ地として、さらに人気が出るであろう五島列島。ちなみに、『ちむどんどん』(NHK総合)で良子を演じていた川口春奈は五島市出身。中学生の時に芸能界で活躍し始めた彼女は、しばらくの間は五島と東京を行ったり来たりしていたそうだ。『舞いあがれ!』の出演者では、さくらを演じる長濱ねるが、幼少期を五島列島で過ごした経験があるそう。彼女によると、驚いた時や喜んでいる時に「ばえー」という方言があるとのこと。また、「そうだ、そうだ」の五島弁は「およ、およ」だそうで、祥子を演じる高畑は五島弁をポルトガル語のように感じたのだとか。祥子やさくらと過ごすことになる舞は、自然と歴史の魅力あふれる五島列島にどのように染まっていくのか。これからの展開が楽しみだ。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:福原遥、横山裕、高橋克典、永作博美、赤楚衛二、山下美月、目黒蓮、長濱ねる、高杉真宙、山口智充、くわばたりえ、又吉直樹、吉谷彩子、鈴木浩介、高畑淳子ほか
作:桑原亮子、嶋田うれ葉、佃良太
音楽:富貴晴美
主題歌:back number 「アイラブユー」
制作統括:熊野律時、管原浩
プロデューサー:上杉忠嗣
演出:田中正、野田雄介、小谷高義、松木健祐ほか
主なロケ予定地:東大阪市、長崎県五島市、新上五島町ほか
写真提供=NHK