『魔法のリノベ』遠藤憲一と原田泰造に起きた過去 際立つ間宮祥太朗の演技の振り幅の広さ
“はじまった”ばかりの小梅(波瑠)と玄之介(間宮祥太朗)の関係に、早くも暗雲が立ち込める。9月12日に放送された『魔法のリノベ』(カンテレ・フジテレビ系)の第9話では、パンドラの箱が開き、まるふく工務店と、グローバルステラDホームとの因縁が思いもよらない結末をもたらすことになる。
小梅と玄之介が山登りの帰りに偶然リノベーションを受注した一休食堂は、グローバルステラDホームから立ち退きを要求されていた。さらに店主の剛志(大友康平)は自分の父親が亡くなった原因は蔵之介(遠藤憲一)にあると思っており、玄之介が蔵之介の息子だと知ると大激怒。まるふくはピンチに陥っていた。するとそこで蔵之介が過去のグローバルDホームでの出来事を語りだす。今やまるふくにとってのライバルであるグローバルステラDホームの有川(原田泰造)は、実はかつて蔵之介のバディであった。だが一休食堂の先代が亡くなった一件に責任を感じ蔵之介は部下の有川を一人残し退社。それ以来、有川は別人のようになり、仕事への考え方や部下への向き合い方まで変わってしまったのだ。小梅は有川の恐ろしさをよく理解しているがゆえ、まるふく工務店が一休食堂と関わることに反対していた。しかし玄之介は一休食堂と向き合いたいと考えており .......。
「まるふく、辞めます」と言い出す小梅に「話しましょうよ」と提案したのは玄之介だ。これまで2人が数々の顧客と親身に対話し向き合ってきたように、玄之介は小梅と話がしたいと言う。しかし小梅はその言葉を聞き入れずに去ってしまった。小梅に対話を求める時の間宮祥太朗の切実な表情は忘れ難い。本作においての間宮は演技の振り幅の広さが際立っている。このところ立て続けに連続ドラマに出演し、『ファイトソング』(TBS系)でヒロインとじっくり「恋の取り組み」をする冴えないミュージシャン役を演じ、『ナンバMG5』(フジテレビ系)では拳で熱く語る最強のヤンキー役を見せてくれた間宮。この流れから、間髪入れずに『魔法のリノベ』へと舞台を移したわけだが、本作においての玄之介役はコミカルなツッコミや少年のようなキラキラした笑顔が非常に魅力的だ。
特に第9話においては、思わずメッセージアプリのスタンプにしたくなるような喜怒哀楽のわかりやすい表情から、蔵之介のことが発覚してからのシリアスな展開で見せる真面目な姿まで、玄之介の素直で優しくてちょっと不器用な姿を広く体現している。日常に溶け込むコミカルさに愛嬌を加えた芝居に関して間宮ほどの振り幅を持っている役者もそうそういないだろう。ルックスの美しさに縛られない多彩な表現が魅力の役者だと感じた。
いよいよ最終回を目前に、まるふく工務店は小梅の退職の危機に。小梅は蔵之介の過去や玄之介とそりがあわないことが理由であるかのように話していたが、到底それを鵜呑みにできるはずもないのは玄之介も視聴者も一緒だろう。有川からの謎のメール、そして小梅の退職を待ち構えていた有川が抱える思いはどこにあるのか。次週、最終回の小梅と玄之介が笑顔で仲睦まじくいられることを願いたい。
■放送情報
『魔法のリノベ』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週月曜22:00〜放送
出演:波瑠、間宮祥太朗、金子大地、吉野北人(THE RAMPAGE)、SUMIRE、本多力、山下航平、YOU、近藤芳正、原田泰造、遠藤憲一
原作:星崎真紀 『魔法のリノベ』(双葉社 JOUR COMICS)
脚本:上田誠(ヨーロッパ企画)
主題歌:ヨルシカ「チノカテ」(ユニバーサルJ)
音楽:瀬川英史
プロデューサー:岡光寛子(カンテレ)、伊藤茜(メディアプルポ)、田端綾子(メディアプルポ)
監督:瑠東東一郎、本田隆一
制作協力:メディアプルポ
制作著作:カンテレ
©︎カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/mahorino/
公式Twitter:@mahorino8
公式Instagram:@mahorino88