『ちむどんどん』念願の沖縄料理店が開店! 自己肯定感を失わない賢秀の言葉が清恵に響く

 さて、出張で都内に出てきた賢秀と清恵は、「アッラ・フォンターナ」で食事をすることに。猪野(中原丈雄)が気を利かせて、賢秀に食事代を持たせてくれたのだ。よそ行きの格好で向かい合った2人。何も考えていない賢秀は「似合ってる。意外と美人、チュラカーギーやさ」と褒め、不意を突かれた清恵はフォンターナのような店に来たことがあると漏らしてしまう。

 清恵によると、その時一緒に来店した女友だちは「バカな子で、華やかな都会の暮らしに憧れて、生まれ育った田舎を飛び出して、最初は工場で女工をしていた」。しかし、「悪い男に引っかかって、行き着いた先が水商売。さんざん男に貢いで、気が付いたら借金地獄」に陥った。そこを親に見つかって、田舎に連れ戻されたのだという。「バカだよね。今さら生まれ変わっても親不孝は償いきれないのに」と、自分のことのようにつぶやく清恵に、賢秀は「償えるさ。人はよ、何回でも人生をやり直せる」と返した。

 賢秀が言うと説得力があるのかないのかわからないが、なぜか清恵は励まされる。二ツ橋の“先輩”と同じで、実体験を他人の身の上として語る手法、つまりは聞いてもらいたいのだが、その相手が賢秀や暢子なのが、『ちむどんどん』の面白いところだ。後悔を引きずっている人は、無茶苦茶やっても自己肯定感を失わない人間をうらやましく思うのかもしれず、案外、相互補完的な関係かもしれない。自分の過去を「恥ずかしい」と振り返る賢秀に、成長の跡が見られたのは良かった。

 第104話では、その後、チンピラ風の涌井(田邊和也)が突然入ってきて、清恵を見るなり「久しぶりだな」と声をかける荒くれ展開。賢秀の名刺を見つけた涌井の何かを察したような表情が気になる。長身の田邊和也は、『仮面ライダーリバイス』(テレビ朝日系)にフェニックス司令官の若林役で出演。『鎌倉殿の13人』(NHK総合)では、曽我兄弟の兄・十郎を演じて話題になった。

■放送情報
連続テレビ小説『ちむどんどん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
主演:黒島結菜
作:羽原大介
語り:ジョン・カビラ
沖縄ことば指導:藤木勇人
フードコーディネート:吉岡秀治、吉岡知子
制作統括:小林大児、藤並英樹
プロデューサー:松田恭典
展開プロデューサー:川口俊介
演出:木村隆文、松園武大、中野亮平ほか
写真提供=NHK

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