ドラマ初出演の『石子と羽男』で話題 片岡凜「誰かの心を一瞬でも動かせるような女優に」
『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』(TBS系)の第7話で「弁護士なら助けられると思ったの」と涙を流しながら話したひな(片岡凜)。家には帰らず、繁華街でたむろし、“案件(援助交際等)”をこなして生活をしのいでいた美冬(小林星蘭)とひなは警察には助けを求められない。石子(有村架純)と羽男(中村倫也)が彼女たちのために奔走した。
乱暴に美冬の父親に掴みかかり、大人を信じずに生きてきたやさぐれた態度、それでもまだ未成年というまだ守られるべき繊細な一面など、16歳のひな役を好演した片岡凛。ネット上では本作がドラマデビュー作ということに驚く声も多く、これからの女優としての期待が高まっている。
初共演となった有村架純、そして戸田恵梨香や松本穂香らが所属する芸能事務所フラームに現れた新星・片岡に、本作の撮影を終えてからインタビューを実施した。先輩である有村からの言葉、共演の中村倫也とのやりとりなど、初のドラマの現場での印象や、内に秘める女優への熱い思いについて話を聞いた。(編集部)
誰かを感動させられる「女優」を目指して
――幼い頃から女優を目指していたそうですが、なぜ女優に惹かれたんですか?
片岡凜(以下、片岡):私自身、小さなときからいろんな作品に触れる機会が多かったんです。お芝居って、たとえば“歌”みたいに何か特別な形ではなく、日常を表現できると思っていて。些細な言葉だったり、多彩な仕草だったりで誰かを感動させられるところにすごく魅力を感じました。
――SNSをきっかけに事務所に所属されたと聞きましたが、もともとSNSを始めるときに「将来に繋がればいいな」という思いもあったのでしょうか。
片岡:今の時代、SNSはとても重要なツールだと思っていて。とにかく女優さんになりたかったので、自分の名前をいろんな方に知っていただけるように、まずはSNSを始めました。
――それが功を奏して、道が拓けたというのはすごいことですよね。『石子と羽男』の出演決定について、反響はいかがでしたか?
片岡:SNSを見てくださっている方からは、いろいろなメッセージをいただきました。「凜ちゃん、ついにドラマに出るんだね」「録画もするからね」とか、本当にたくさんの言葉をいただいて、すごく嬉しかったです。
――事務所に入る前から応援してくださっている人がいるというのは、心強いですよね。
片岡:本当に心強いです。SNSを通して「今日はこんなことをしていたよ」とか「今日も頑張ってね」とか、日常の何気ないメッセージが励みになっています。
現場に入ったら「ふだんの私を完全に消そう」
――ドラマデビューとなる今回の撮影には、どんな気持ちで臨みましたか?
片岡:初めてセリフのあるお芝居でしたし、地上波のお仕事も初めてだったので、「絶対に100%の気持ちで臨まなければいけない」という覚悟と、「必ずやり切ろう」という思いで臨みました。
――ひなはピンクヘアだったので、ドラマ放送後に「片岡凜」と検索して、すごく清楚なお写真が出てくることに驚く方も多いと思います。
片岡:そうですよね(笑)。
――ご自身のイメージと離れた役を演じるということで、役作りの難しさはありましたか?
片岡:見た目の違いは大きかったですけど、中身はそんなに違いを感じなかったんです。ひなは、どこか反骨精神があって、「他人と違っていたい」という思いだったり、何か大人に対しての怒りを持ってる子だと思っていて。私にもそういう気持ちはあるし、むしろ共通点が多くて、演じるのが楽しかったです。
――役に合わせてビジュアルを変えるというのも初めてだったと思います。
片岡:そこに関しては、もうワクワクしかなかったです(笑)。初めてのことをやらせていただけるのは、このお仕事の醍醐味の一つだと思っていますし、すごく楽しませていただきました。
――監督やプロデューサーとはどんなお話を?
片岡:主に、ひなの人物像についてお話しさせてもらいました。撮影中もカットがかかるたびに監督がこちらに来てくださって、役のイメージやセリフを膨らませるためのアイデアをたくさんくださいました。「このとき、ひなはこう思っているから、もっと怒っていいよ」とか「もっと冷たくていいよ」とか、本当にその都度、細かくアドバイスしてくださいました。
――事前に「こう演じてほしい」というリクエストはありましたか?
片岡:一度、現場に入る前にお会いしたときに、やっぱり「清楚」というイメージを強く持っていらっしゃるように感じたんです。だから、現場に入ったら「ふだんの私を完全に消そう」と心がけました。たとえば姿勢とかも、私は座っているときに足を閉じるのが癖なんですけど、現場ではなるべく閉じないように。監督から直接言われたわけではないですけど、自主的にそうしていました。
――感情的なシーンも多いですし、演じるのが大変な役だったのではないでしょうか。
片岡:役に関してはわりとスムーズに理解できたかなと思っていて、理解をしていく過程も楽しかったです。ただ、撮影時間が長いので、いかに自分の感情をキープできるか、というのは大変でした。
――役を演じる上では、とくに壁にぶつかるようなこともなく?
片岡:そうですね。でも、表情のお芝居がもっとできるようになりたいとは思いました。いろいろな表情が見せられるように、今後はさらに頑張っていきたいです。