金子大地、小栗旬との共演で得た物作りの喜び 『鎌倉殿の13人』源頼家を演じ終えて

“母”小池栄子への思い

ーー第32回「災いの種」では、疑心暗鬼になっている頼家が母の政子(小池栄子)に対して「近寄るな! 出ていけ! 北条をわしは絶対に許さん! お前もだ!」と激昂するシーンがありました。

金子:母上とのシーンって、実はそんなにないんです。あそこでやっとぶつかった、とても大事なシーンで、怒りとか憎しみ、絶望……頭が真っ白になるような、言葉では表し難い感情ーー頼家に溜まっていた悲しみのようなものが爆発するシーンだったのできつかったです。相当削られました。あの日は小池さんとも、あまり会話をしなかったのを覚えています。小池さんとのシーンは毎回緊張しましたね。頼家と政子の間には距離があったと思いますし、たくましい姿を母親に見せたい気持ちもありつつ、もっと弱みを言いたかったんじゃないかなと。終わってからは話すようになったんですが、撮影中にも母としての存在感や愛情は感じました。それは小池さんの愛がしっかり僕に伝わっていたからだと思います。照れくさいんですが、母のように思っていました。

ーー第33回「修善寺」でのラストシーンを終えていかがですか?

金子:悔いなく終わることができました。毎回、台本をもらうたびにどれだけつらいことが待ち受けているのかと思っていたんですけど、最後はちょっとした解放のような感覚がありました。僕の役目はここで終わりましたけど、『鎌倉殿の13人』はまだまだ続いていきますし、最後までみなさんを見届けたいです。感謝しかないです。

ーー大河ドラマ初出演となった今回の『鎌倉殿の13人』は、金子さんにとってどのような経験になりましたか?

金子:初大河でこの役を演じさせてもらえたこの経験はかけがえのないものですし、本当に素晴らしい作品に出会えたと思っています。小栗さんをはじめとする、スタッフのみなさんのおかげで演じられたところも大きくありました。作品を作る上での一体感、座長である小栗さんのすごさを感じながら、物作りをする上での熱量のある座組みに加わることができたのは一番の幸せです。これからはどんな作品にも熱量を持って臨んでいきたいと思いました。

■放送情報
『鎌倉殿の13人』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00~放送
主演:小栗旬
脚本:三谷幸喜
制作統括:清水拓哉、尾崎裕和
演出:吉田照幸、末永創、保坂慶太、安藤大佑
プロデューサー:長谷知記、大越大士、吉岡和彦、川口俊介
写真提供=NHK

関連記事