『赤いナースコール』に感じる2種類の恐怖 チャイコフスキー連続殺人の目的は人体の完成?

 加藤の血痕があった場所は、犯人の正体を探る上で重要な手がかりになりそうだ。ネット上ではアリサが真犯人という説がまことしやかにささやかれている。もしそうなら、包帯はアリサの中のシリアルキラーを覆い隠すもので、アリサが本当に犯人だった場合、翔太朗の書くシナリオは一気に悲劇の様相を呈する。

 チャイコフスキー連続殺人事件の犯人は被害者の身体の一部を持ち去っていた。今回、加藤の喉ぼとけの骨がなくなっていた。これは推測だが、犯人は身体の一部を集めて人体を完成させようとしているのではないか。子どもあるいは恋人を失った犯人が、悲しみのあまり最愛の存在を復活させようとする。この場合、病院内を徘徊する殺人犯と同一人物であるか、また榎木田や野田との関係が問題になる。

 『赤いナースコール』には随所に不安感を増幅する仕掛けがある。ただし、犯人の正体を知りたいという好奇心がそれらを上回っているため、いったん観はじめると途中でやめることができない。蓄積した不安は、最終的に明確な形をとって姿を現すのだろうか? その時感じるのが衝撃か、それとも謎解きのカタルシスかは、その瞬間が来るまでわからない。

■放送情報
ドラマプレミア23『赤いナースコール』
テレビ東京系にて、毎週月曜23:06~23:55放送
Paravi、ひかりTVにて、地上波放送終了後に配信
出演:佐藤勝利(Sexy Zone)、福本莉子、池田鉄洋、ベッキー、木村了、山本浩司、橋本淳、森田甘路、大水洋介(ラバーガール)、堀口紗奈、板尾創路、浅田美代子、鹿賀丈史
企画・原作:秋元康
監督:本橋圭太、上田迅
脚本:秋元康、宮本武史、服部隆、吉崎崇二
音楽:矢野博康
主題歌: みゆな「凝視」(A.S.A.B)
オープニングテーマ:Sexy Zone「Sleepless」(Top J Records)
チーフプロデューサー:森田昇(テレビ東京)
プロデューサー:北川俊樹(テレビ東京)、平部隆明
制作:テレビ東京、ホリプロ
製作著作:「赤いナースコール」製作委員会
©「赤いナースコール」製作委員会
公式サイト:https://www.tv-tokyo.co.jp/akanasu/
公式Twitter:@tx_akanasu
公式Instagram:@tx_akanasu

関連記事